6#城下の平和 ページ14
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『ユリア、やっぱりあなた、少しお堅いみたいよ。もう少し柔らかい話し方をしたほうがいいんじゃない？』
「お嬢様がそう仰るなら……善処します」
『やだ、そういうところよ』
何を渋る必要があるのか、難しい顔で眉根を寄せたユリアが可笑しくて、思わず笑ってしまう。
私たちが歩くのは、左右を出店で囲まれた商店街。活気の出てきた雰囲気に包まれて、今ならどんな些細なことでも笑えるような気がする。
『せっかく綺麗な顔をしてるんだから、そんな怖い顔をしては駄目よ』
「……」
『……ん、どうかした？』
くすくす笑っていると、ユリアはじっとこちらを見た。何か気に障っただろうか。
「いえ……ただ、そうやって笑ったところを見るのは、久しぶりだと思いまして」
『そ、うかしら』
「えぇ」
彼女はおもむろに頷き、頬を緩めた。
元々表情豊かな方ではないけれど、そうして笑えばほら、可愛らしい人だ。
『そうね、確かに。仕事中は笑えないもの。……でも、心配しなくてもいいわよ、別に辛くはないし。それにね、変な話だけど、機械の振りするの、少し楽しくなってきてるのよ』
「はぁ、そういうものでございますか」
『そう。だからあなたも、城の中では私のことを使用人として扱わなくちゃ。それから、もっと笑顔を心掛けるといいわ』
「……。善処します」
その返事がすでに、仏頂面なのだけど。
どうしても頭の固い付き人に、心中で溜め息をつく。彼女のこれは、親譲りか何かなのだろうか。
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夜風−yorukaze−(プロフ) - とても面白くて、サクサク読めます！これからも頑張ってください！ (2020年4月26日 17時) (
レス) id: 58cfefca5b (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。１話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2017年5月9日 0時
