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司「…A。少し休め」


「あ……」


司「おまえ、ひどい顔してんぞ。一旦家帰って寝てこい」


「いや、大丈夫…。すごい血がたくさん出てた。
俺びっくりして、びっくり……。
類、死んじゃうのかなあ……っ」


どうして。
もう少しのところで手が届いたのに。
あの手をつかめなかったのか。


どかっと俺の隣に座った司は、くしゃっと頭を掴まれ引き寄せられる。


司「ばか。不吉なこというな」


そうだ。何言ってんだ、俺。
不安なのはみんな同じなのに。


「……さっき類の両親から電話があったんだ。
外せない取引があって…それに、今から向かってもこっちに着くのに日付が変わっちゃうって。
すごく心配してた」


類は今晩がヤマらしい。
出血が多すぎて…。
類の両親は「申し訳ないが状況を逐一教えて欲しい」と言われた。
そんなの当たり前だ。言われなくても連絡してる。小さい頃から優しくしてくれた類の両親。


総「A!司っ。類がやばいっ‼
早く来いっっ」


頭が真っ白になった。
走らねーと。
なんでこんなに廊下が長いんだろう、
足が空を切る。

類は透明なガラスの中にいた。
せわしなく動いている医者達。
その中には酸素マスクをつけて、静かに眠る類。


いくな。何もいらないから…神様‼


ピーーー。恐ろしいほど高い音が鳴り響く。


ガクガク震える。
「類……?」


その高い音を合図に、透明なガラスの中に入ったら人達がもっとせわしなく動いた。
AEDが類に使われ、体が跳ねた。


牧「花沢類ッ」
「「「類っっ」」」


この壁が。透明なガラスが。
とても邪魔だった。
ドン!!ガン!!ガンッ


「何やってんだッ!俺から離れないってッ!!!
約束したじゃねえかッ。
いつまで寝てんだよッ!?
さっさと目を開けろよ!!!
死んだら…一生許さねーぞッ」


どんなことになってもいい。
連れて行かないで。
お願いだ。類…いかないで。


とめどなく落ちる涙。止まらなかった。
足から力が抜けた瞬間、総二郎とあきらに支えられた。

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悠人(プロフ) - レイナ丸さん» ありがとうございますTT なんて最高級な褒め言葉なんだ!! (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - クロりんごさん» 全く同意です(・・;) (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - みかんちゃんさん» コソッ(・Д・)ノ[続編] (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ丸(プロフ) - 海ちゃん、きみは全読者を敵に回した。そして作者様貴方もこんな素敵な作品を作るだなんて罪な人!更新楽しみです!カバディしながら待ちますね!! (2019年7月2日 15時) (レス) id: 0d2b714c98 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - やっぱ海ちゃん性悪だなぁ……ひええええ (2019年7月2日 14時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠人 | 作成日時:2019年5月5日 20時

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