【花より男子】花沢類の幼馴染 10(男主) (ページ13)

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海「あー、こっから階段かぁ。
ちょっときついね。あたしは大丈夫だけど」

「俺の肩につかまって。早く」

まだ松葉杖のない類には辛いだろう。
そう思って類の隣に立ち、肩を差し出した。
だけど、横から差し出された松葉杖。

海「1本貸してあげるっ。練習にもなるでしょ。ね‼」

類「長さが合わないよ。短いじゃん」

海「いいから。とにかく使ってみて‼
ないよりマシよ」

しぶしぶと松葉杖をうけとる。

海「なんか持ち方が変だって‼杖じゃないんだから」

類「うっさいな。短いんだよ」

海「あたしなんて慣れるのに1週間もかかったよー」

「どんくさ」

本当に透明人間になった気分だ。
どんどん先に行く2人の背。
また2人の世界になってる。

海「わー、見晴らし良いねー。新宿見えるー」

類「うん。気持ちいいね」

ちらっと後ろを見る。
ベンチに座る類はいつもと様子が違かった。

「……類、こっち来て景色見てみたら？

類「……」

海「んー、前から思ってたんだけど。なんでそんなにイライラしてるの？」

類「別に。関係ないでしょ」

海「ハゲちゃうよっ。そんなに考えるとっ」

類が？……ハゲ？
ぷっと笑うとジロッとみられた。

類「…腰をナイフで刺されて出血多量で意識不明になったんだよ。医者が言うにはそんとき、一部記憶を失ってるらしい」

ドキン

海「記憶障害？」

ドキンドキン

類「例えば、知らないとこに乗り込んで行ったことは覚えてる。何しに行ったのかがどうしても思い出せないんだ,
…所々、記憶が抜け落ちてて。
すげえ大事なことだったような気がする」

心が叫ぶ。

類「…非常階段……俺と誰か……」

「非常階段で誰かと会ってたとか、飯食ってたとか……覚えてない？」

声が震える。

俺だよ。

「誰かと…」

類。俺だよ。
まさか、思い出してくれ…

海「いいじゃない。無理に思い出さなくても。
周りにたくさん友達いるんだしさ。
これから、それを埋めていけばいいよ。

人生のリセットだと思ってさ！」

おれはその言葉を理解するのに数秒かかった。
リセット？