【花より男子】花沢類の幼馴染 8 (男主)

ナイフ ページ27

「…名前なんていうんだ？」


情けなくも、ズビズビと鼻をかみながら尋ねる。


「亜門、国沢亜門。21歳 大学3年。
バイトしながら、暮らしてるフツーの男」


「どこがフツーなんだよ。フツーの奴はこんな事しねぇし。…しかも年上かよ。なんでこの仕事うけたんだよ」


亜「まー、怒る気持ちもわかるけど、500万だぜ、500万‼」


「金で抱けないだろ…、」


亜「抱かれるのは勘弁だけどな。それに、男に入れるのは気持ちいって言うじゃん？
おまけに顔良けりゃ問題なしっしょ。
後ぐされなくいこうぜー」


「お前と話してるほんと、頭おかしくなる」


亜「お前、これから女と結婚して、子供残さないといけないのに…女抱けんの？」


「だから、俺は結婚する気もお見合いを受ける気もないよ」


亜「え？まじ？反応しないの？ガチゲイなの？」


「抱いたことがないだけだ！！」


あ、しまった。
ハッとなって、慌てて口を閉じるがもう遅い。
亜門はニヤニヤと笑いながら、不敵そうに俺を見ていた。……うぅ、類のせいだぞ！


亜「あぁ〜、童貞なんだ。…可哀想だなお前」


「殴るぞ？」


亜「想いってのは風化する。忘れるよ、花沢類のことは」


「…なんで言い切れんだよ」


亜「今すぐには無理かもしれない。
でも、わざわざ橋を渡ることはないんだぜ？
今なら渡らずにすむ」


「俺は、」


亜「もし、お前らがこのまま付き合い続けたとして、そのうち親や親戚に結構の催促されて、しんどい思いをする」


「それでもッ」


亜「そして親が死んだら？
結婚もせず孫の顔を見せてやれなかった自分をずっと攻め続けることになるぞ？」


「…ッ」



こいつの言葉は本当に危ない。
ナイフのように的確に傷つけていく。

事情→←意地悪

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