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謎の男 ページ24

「Aお坊ちゃん。食事はちゃんととって下さらないと…」


頭上から斎藤の声が聞こえる。
顔を上げなくてもわかる。今の斎藤はきっと、眉を下げて心配そうな目で俺を見てるんだろうな。


俺はベットの上で膝を抱えて、うずくまるように座っていた。


「お腹空かないんだ。
食べてももどしちまう…」


「顔色も優れないですし、このままじゃ倒れてしまいます…」


「…それもいいかもな」


「坊ちゃんッ」


「あんた。4日後には本番だろ。しっかりしろよ」


斎藤の声とは反対側の方向から違う声が聞こえてきた。思わず顔を上げて確認するが、認識はなかった。


「は?誰だよあんた」


…こいつ、いつの間に入ってきたんだ。
部外者だろ?何で追い出さないんだ…?


「あんた、出てってくんね?」


「…しかしっ」


「『旦那様』から聞いてんだろ?」


「…ッ失礼します…」


「…斎藤?」


親父?なんでオヤジがこんな男に…?


「ふーん…、顔は結構いいじゃん。君も可哀想な子だね〜」


「は?なんだって…ッおい!」


視界が突然、ぐるんと回った。気付いた時には、ベッドに縫い付けるられる様に押し倒された。


「はいはい、暴れない。俺は君のお世話役だからさ、安心して。目も腫らしちゃって…」


そう言って器用に、そいつは俺の両手を片手で拘束し、もう片方の手で俺の目を優しく撫でた。
ひんやりとした指が軽く目に触れたことから、体がびくりと反応した。


「安心できるか‼離れろって…ッ。こんな事していいのかよ!?」


「うん。だって、俺はこの1週間だけ雇われたんだ。もちろん守秘義務は守るよ?」


再び安心して?とでも言うようにニコリ…いや、ニヤリと笑ったこいつを俺は、本気で《イカれてる》と感じた。

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悠人(プロフ) - なるさん» わーー!!よかったです!!Rタグ付いてしまったのでもしかしたらコメントも見れないかもとドキドキしてました(~_~;)一気に…だいぶ長編なのにありがとうございます^ ^ カラットさんですか!確実に趣味が合いますねㅋㅋ楽しんでいただけると嬉しいです! (6月12日 23時) (レス) id: b1a7650ccc (このIDを非表示/違反報告)
なる - 悠人さん» 別端末から失礼します!わざわざリンクを貼っていただきありがとうございます!見れるようになったので一気読みしました!海ちゃんのところは自分も胸が痛くなりました…!悠人さん最高の作品をありがとうございます!セブチも好きなので読みます! (6月11日 22時) (レス) id: 984f7da6fe (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - なるさん» トップにリンク貼りました!Rタグで見れてない可能性もあるのでRでも閲覧出来るようになってるか確認をお願いいたします^ ^ (6月11日 17時) (レス) id: b1a7650ccc (このIDを非表示/違反報告)
なる - 一話どこにありますか、、! (6月10日 12時) (レス) @page3 id: 0a7ce356e9 (このIDを非表示/違反報告)
賢志郎(りん)(プロフ) - 1話がどこにもない (2020年3月28日 15時) (レス) id: 66de5526d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠人 | 作成日時:2018年10月7日 8時

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