番外編＿春 ページ37
お花見。
二人でベンチに座り、桜を眺める。
ベタなのが好きな私に合わせてくれて、二人の手には三色団子が握られている。…花より団子ではない。お花もちゃんと見てるから、平気だ。
ふと、食べていた手を止めて彼が私の頭に手を伸ばす。急に頭を撫でられるのか、と思い少し身構えていたがそうではなかったようで彼は親指の人差し指で花びらを挟んで
「ついてた」
と笑った。
気恥ずかしくなりながらも、ありがとう。
こういうのんびりとした会話が私は好きだ。
平凡な、日常。
それはいつまでも続いてくれるようで安心する。平凡がいつ壊れるかわかんないけど、そんなの壊れてない今から考えても仕方ないと楽観視できるようになったのだ。
全てがネガティブだったあの頃とは違う。
もうすぐクラス替えもあるが、離れてもなんとかなる気はする。…離れたくないのが事実、といえばそれまでだが。
団子を食べ終わった私と彼。
立ち上がって手を差し出してくれる姿が王子様に見えて仕方ない。これはもう、恋の末期症状だ。
「行こ。」
手をとった私は立ち上がり、二人歩き出す。
そうそう、席替えがありました。
離れちゃったけど…まあ仕方ないよね。遠くても話しかけてくれるから安心している。…あと成田くんと席近かったから少し安心。知ってる人がいると違うよね。
「なんかA、元気になった？」
そう笑う彼。
私はふふ、と笑って「すきになっても、いいんですよ？」と返した。
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桜餅(プロフ) - 素敵な作品でした、縁下くん罪な男ですね。 (2021年4月5日 17時) (
レス) id: 7911da50c3 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - 縁の下くん私も好きです！更新頑張ってください！ (2019年11月9日 16時) (レス) id: 3635743cb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コンタクトるり江 | 作成日時：2019年10月28日 21時
