隣の和澄 ページ19
和澄。
席替えで隣になった、人見知りで誤解されやすいけどおっとりしていて優しい子だ。
よくない噂を聞いて、でもどうしてもそう言うタイプに見えなくて、隣になったとき積極的に話しかけた。
すぐにわかる。
嗚呼、人に助けを求められないタイプなんだって。優しすぎるから。だから根も葉もない噂がどんどん広がってしまって取り返しがつかなくなってるんだ。
不憫だ、心が折れてしまうかもしれないだろう。俺だったらもういやになって学校に来なくなってるかもしれない。
でも彼女はいる。
無遅刻無欠席。いつも登校時間より物凄く早くに教室の隅っこで、本を開いている。強くて、優しくて、猛烈に憧れた。触れたくて、自分だけのものにしたくて、好きになってほしくて仕方なくなった。
だからうれしかったんだ。
和澄が開いたくじに『6』と書いてあるのが見えたときは。
バスの席、ごはんの席、ことごとくすれ違って中々話せなかったから。
俺の背番号。
大事な数字。
それが彼女とシンクロして、一緒にいることができるという風になって、嬉しかった。もう、この肝試しで告白してしまおうかと。焦りが滲むし、格好悪いけどでも、そう思った。思ってた。
西谷が6という数字をもって現れるまでは。
ねえ、俺は。
隣の和澄_キミ_がほしい。
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜餅(プロフ) - 素敵な作品でした、縁下くん罪な男ですね。 (2021年4月5日 17時) (レス) id: 7911da50c3 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - 縁の下くん私も好きです!更新頑張ってください! (2019年11月9日 16時) (レス) id: 3635743cb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コンタクトるり江 | 作成日時:2019年10月28日 21時