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以外にも注文した服は
この時代に合うらしく



「へぇ〜、いいね
動きやすい?ねぇ、動きやすい?」


と二階堂には好評だった


「そんな恰好でうろつくなよ」


と宇佐美には不評だっが
何故かあまり強く言ってこなくなった



「おぉおぉ
どこに行くんだ?お嬢さん」


『おはよう、菊田
朝飯食べに行くんだよ、どうせ食べてないだろ?
一緒に行こうぜ』


「俺これでも特務曹長で
お嬢さんより年上なんだけどな」


ポリポリと頬をかくこの男は
3日前にヒョコッと姿を現した第七師団の
特務曹長である



『そうか
でも私軍人じゃないから菊田はただのおじさんだ

あ、菊田おじさんって呼べばいいのか
ごめんごめん 菊田おじさん』


「凄いムカつくな
このガキ・・・」



毎回こんな感じの会話ばかりしてるが
別にこれと言って変わりはなかった



しかし、ある日
第七師団から”裏切者”が出た



私はその場にいなかったから
鶴見から聞いた話によると


刺青人皮がアイヌの軍人に奪われた、という事だった
妙な話である

刺青人皮はいわば金塊の鍵だ
それをそう易々と持ち去るのを許すだろうか


宇佐美も、菊田もいたと聞いた
鶴見が”わざと逃がした”可能性が高いのである

刺青人皮を”泳がせた”のだろうか


なんせ鶴見は私に
詳しいことは私には教えてくれなかった

確かに前は敵だったが
今は力を貸しているのだから少しぐらい話してもらいたい



でも、まぁ

信用できない という気持ちは分からなくもない


私も鶴見も、



いや宇佐美だって杉元だって

この金塊争奪戦に主要に関わっている奴らは
人なんか信用できない、悲しい人間ばかりなのかもしれない


金塊が見つかったら
どうなるのか


見当もつかないが
きっと ”誰か” は死ぬのは目に見えている



人を助けるために呪術師になった
呪いから人を守るために


でも結局のところ
呪いが生まれるのは人と人との間からだ


傷つけ合うのをやめなければ
呪いは終わらない



だけど、そんな未来は
きっと来ないだろう




それはなぜか


理由は簡単である



他者を傷つけることで
自分の”生”を深く感じられるからだ


この時代では猶更だろう

命辛々→←175:



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ミンミンゼミ(プロフ) - 山猫さん» コメントありがとうございます。体調は徐々に良くなってきましたがワクチンやらなにやら打つためまた悪くなりそうです・・・(笑) 面白いと言ってくれてとても嬉しいです(^▽^)これからも更新していきますのでよろしくお願いしますm(_ _"m) (2021年7月30日 17時) (レス) id: d4b6eee348 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - とても面白いです、ゆっくりで良いので体調に気をつけながら書いてください。更新楽しみにしてます! (2021年7月26日 22時) (レス) id: 182d2e66db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2021年4月22日 8時

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