慧眼と金塊 4

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新宿駅から30分


八王子についた




「ねぇ、浅川地下壕ってところなんでしょ？
観光地にもなってるところに
呪霊なんているの？」



「そりゃいるさ」


タクシーに乗り
浅川地下壕へと目指す



「お客さん、浅川地下壕に観光で？」


「あ、はい！そうなんです！」

とあかね



「じゃぁ八王子駅じゃなく
高尾駅で降りたほうが良かったね

そっちの方が近いから」


「え、そうなんですか！
・・・ちょっと」


「ごめんて」

「絶対思ってないでしょ！」

とまた怒るあかね


「そんなに怒ってたら顔、しわだらけになるよ？」

「なんでそうデリカシーがないのよ！」


歌姫みたいでからかいがいがあるな



「あはは！仲がいいのは良いことだね

でも面白半分で地下壕に行くつもりなら
やめておいた方がいいと思うよ」



「・・・なぜ？」


「元々は戦争で使われていたところだからね

それに、」


と言葉を濁す運転手




「俺は小さいころからここに住んでるんだけどよ
怪談話でよく話してたんだよ

地下壕には実験場がある、って」



「それって・・・」



強張るあかねの声をよそに
運転手はケラッとした声で


「でも子供の作った怪談話だからね
気にすることは無いよ

何にもないところだけど
八王子には戦争の跡が多いんだ

今の子は戦争の事なんか分からないだろうからね
知ってもらえればそれでいいんだ」


と言う



(怪談話にしては的を得てるな
・・・本当に子供が作った怪談話か？)





一体浅川地下壕に何があるというのだろうか

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