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「んん゛っ・・」




目を開けると
古びた天井が目に入る


木目の、今にも壊れてしまいそうな天井だ




「目が覚めましたか」

「・・・治療をしてくださったんですか」


「もう少し遅ければ
低体温症で死んでいましたよ」



医師はテキパキと私の包帯を変えていく
いつも硝子にやってもらっていたから
変な気分だ


「・・あの、私と一緒に
男も倒れていたと思うんですけど」


「あぁ、尾形上等兵ね
隣で寝ているよ」

そういわれ横を見ると
包帯でぐるぐる巻きになった
尾形と呼ばれる男が苦しそうに眠っている



「あんたが抱きしめて暖を取っていなかったら
もっと危ない状況だったよ」


「そう、ですか」



あの時の判断が正しかったかは分からないが
助かって良かった




「それよりも君の生命力には驚かされたよ
君は低体温症の症状が出始めていたし
霜焼けも酷かった

なのに尾形上等兵よりも先に起きて
こうやって普通に喋れるなんて
良い意味でどうかしてるよ」


確かに身体はぴんぴんしている
反転術式を使ったわけでもない

と言うか使えないしな、
あんな高度な術式



「それよりも」


「?」


医者がニヤリと笑うと
私の腹をすりすりと撫で始める



「君、女の子だったんだねぇ
鶴見中尉には言っていないが・・・
これはこれで・・」


「っ!」



気持ち歩い
なんだこのクソジジイ



「触んな!
このクソ野郎が!」

「ひんっ!」



バコンッと医者の顎を蹴り上げると
情けない医者の声がコダマする



「冗談じゃない!」


ベッドから起き上がり医務室から出る



(なんなんだよ、ここ)


通りすがる人全員が
軍服のような服を着ている


(呪いのせいで昔に来たとか?

笑えないぞ)


呪いはどんな力を持っているかなんて未知である


だから通常あり得ないことや
漫画のような展開がありえてしまう



ここがどこか
今すぐに確認しなければ



「まて!」

「うるせえ、どけ!」


乱暴に人をかき分け
外に出る





「なっ」



目に入るのは一面真っ白な世界

こんなに雪が降って積もるなんて
東北地方だけだろう





「尾形上等兵よりも損傷が激しいにも関わらず
怪我も体力も回復するなんて


驚きだ」



呆然としている中
後ろから声がかかった

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山猫(プロフ) - とても好きです面白いし最高です。 (2021年7月26日 17時) (レス) id: 182d2e66db (このIDを非表示/違反報告)
ミンミンゼミ(プロフ) - お粥??さん» コメントありがとうございます。うまく文章が書けてるか心配ですがそう言っていただけて嬉しいです! (2020年12月17日 8時) (レス) id: 0fbf39fe02 (このIDを非表示/違反報告)
お粥??(プロフ) - とても面白いです!これからも無理をしない程度に頑張ってください (2020年12月16日 22時) (レス) id: 8cc28a00da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2020年12月16日 13時

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