キミとぼく (ページ39)

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プロローグ～出会い～ 1 ページ39

「交錯する愛の跡」のサブストーリー。
紫耀くんと廉くんが付き合うまでのお話です。

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高校1年、春

仲のいい友達とは離れてしまい、ゼロから始まる高校生活。

人見知りな俺がちゃんと友達を作れるかな。
あわよくば彼女なんてできたりしやんかな。
初めての彼女...
欲しいなぁ

緊張と不安と少しの期待を胸に校門をくぐる。
校舎までの道には満開の桜が並び、出迎えてくれているようだった。

まずはクラス発表を見に行かな。
クラス発表、どこでやってるんやっけ？

手元の資料に視線を落とす。
『1年生のクラス発表は第1校舎1階フリースペース前に掲示しています』

第1校舎......？
フリースペース......？

......どこやねん！？

マンモス校で有名なこの高校は広く、校舎も幾つもある。

...とりあえず、第1校舎を探そう。

ふらふらと適当に歩きながら探してみるも一向に見つからない。

どうしよ...
迷子やん...
この高校で上手くやってける自信なくなったわ...

「大丈夫？」

心が折れて泣きそうになっていた時、後ろからハスキーで優しい声が聞こえてきた。声のする方を振り向くと、綺麗な顔立ちをした男の人が立っていた。

「君、1年生？」
心配そうに俺の顔を覗き込みながら尋ねてくる。

「は、はい...」
さっそく人見知りを発揮してしまい、少し俯いてしまう。

「もしかして、迷った？」

ゆっくりと首を縦に振った。

「この学校、広いもんな。よかったら、案内するで。どこに行きたいん？」

あまりに優しい声色に少し緊張が和らいだ気がした。
ゆっくりと顔を上げると、優しく微笑んでこちらを見ている彼。

その眼差しが、なんだか温かく感じた。

「...ここに...行きたいです」
手元の資料を見せる。
「あー、クラス発表ね！こっちやで、おいで！」

そう言って手招きする彼は太陽の光に照らされて輝いて見えた。

きっと彼はいい人だ。
仲良くなりたいなぁ。

気づけば、名前も知らない彼にそう思っていた。

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