片想い5 ページ13
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それから暫くして、頼んでいた出前が届き 酒を飲みながら 2人でたわいもない話をしていた。
ご飯を食べ終わる頃、酒の酔いも回ってきて 透き通った廉の瞳は 赤く潤んで色気を帯びていた。
なんで、そんな無防備なんだよっ…
なんで、そんな姿を 他のやつに見せること あいつは許してんだよっ…
廉が家に招いてくれて 嬉しかったはずなのに…
あいつと廉がお互いに信頼しあってるのを 見せつけられて、また 心が痛くなる。
俺の入る隙なんて 全然ねえじゃん…
叶わない恋。
そんな事 分かってる。
でも
もし 今 お前にキスしたら…？
今日だけだから…
1回だけ…
そんな時 ふと、楽屋で 紫耀と廉が 楽しそうに話している姿を 思い出した。
やっぱり、できねえよ…
お前らの関係を崩すようなことも。
俺の事を 信じてくれている 廉を 裏切るようなことも。
結局 俺は、今の関係を壊すことのできない 情けないやつなんだ…
｢ゆうた、どうしたん？｣
そんな事を考えながら 俯いていると、廉が俺の膝の上に 手を乗せて 甘ったるい声を発しながら 顔を覗き込んできた。
このまま ここに居たら、どうしようもないくらい 想いが止まらなくなりそうで…
｢だ、大丈夫だからっ！俺、もう帰るわっ！今日は ほんと ありがとなっ！｣
そう言って 急いで廉の家を飛び出た。
外の空気は 突き刺さるように 冷たい。
それでも、さっきまでの熱は 全然冷めてくれなくて。
やっぱり、俺は 廉の事が好きなんだ。
叶わないと 分かっていても。
苦しいだけだと 分かっていても。
本気なんだ。
本気で
好きなんだ。
fin
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作者名：ゆうき | 作成日時：2019年10月8日 1時
