496話です ページ8
カリカリ。ペンを走らせる音と不意に香るコーヒーで目が覚めた。
まず目に飛び込んできたのは見慣れたコンクリート製の白い天井。それと感じる黒くツルツルとした肌触りから自分は革生地のソファーに寝そべっているのだと知る。
そういうことからここがどこなのか、瞬時に理解してしまった私はぼんやりとしていた意識が一気に覚醒し飛び起きた。同時にお腹辺りに掛かっていた毛布がハラリと白い床に滑り落ちる。
「ああ、起きたんだ」
不意に聞こえてきた声に振り向くと対峙するように黒い革製のソファーに腰を下ろしている恭弥さんの姿があった。コーヒーを片手に何やら書類のようなものを一枚持っている。
彼がここで仕事をしてるということは……
「……何故私は応接室に…………っ」
「ユキ〜〜〜〜〜っ！！！！」
私は応接室へ来てこのソファーで寝た記憶など一切ない。しっかりと屋上で寝たはずだ。それ以前に私が応接室で寝るなんて恐れ多いこと出来るはずがないのだ。
そんなことしたら風紀に関してはとても厳しい恭弥さんの逆鱗に触れる事は確実だ。間違いは起こしていない……はず。
それに私は実際屋上で少々肌寒かったが秋の風も浴びている。
何故私は応接室にいるのか。と問いかけようとしたその時、腹部に圧迫と共に衝撃がきた。あまりの衝撃にうぐっと唸り下を見る。まあ言わずもがな綾である。
いやこんなことをするのは綾以外にいない。
「僕がここに運んできた」
疑問を投げかけると返ってきたのはその言葉だった。さも当然のことながらに言うので一瞬あ、そーなんだと流しそうになった意識を慌てて引き止めた。
何が『あ、そーなんだ』だ、私！！全然そうなんだと言えないだろ！！ヒクヒクと口角を引きつらせながら、運んできた、とは？と尋ねる。
「兄さんがユキをお姫様抱っこして
その質問に答えたのは恭弥さんではなく綾だった。
満面の笑みで答えていた綾だったが最後まで言い切ることはなかった。その前に恭弥さんがトンファーの後端に搭載されている鎖チェーンを綾の顔スレスレに放ったからだ。
「余計なこと言うな」
ギロっと恭弥さんに睨まれうぐっと少し唸る綾だったがハッとして兄さんと大声をあげた。
「に、兄さん！？危ないじゃない！！ユキに当たったらどーするの！？？」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーアイテム
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夜野兎(プロフ) - 逃亡者さん» 返信遅くなりすみません！！ここまで見てくださりありがとうございます！体の心配までしていただいて……恐縮ですっ、ありがとうございますっ。コメントありがとうございました！！ (2020年3月26日 18時) (
レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
逃亡者(プロフ) - 初コメント失礼致します。前から少しずつ読み、漸く追いつきました。大変面白く、続きが楽しみです。また更新出来る時に、気が向いたら更新してくださると嬉しいです。体調を崩さない程度に頑張ってください。 (2020年3月16日 20時) (レス) id: 3951c8a1b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - ルイスさん» はじめまして！！返信おそくなりすみません……ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年2月15日 16時) (レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
ルイス(プロフ) - はじめまして!今日この作品を見つけいっき読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください! (2020年1月29日 23時) (レス) id: d4f9260aae (このIDを非表示/違反報告)
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