259話です ページ36
けれど暴力ではなくもっと他のやり方があるのではないだろうか。もっと他のやり方で風紀を正す方法が。
……なんて思ったものの、別に私は彼を批判したいわけじゃない。何せそれが彼が彼なりに考えた正義だというなら私があーだこーだ言ったところで、無駄なのだから。
しかし彼が彼なりの正義があるように私にも私なりの正義があるのだ。
争いは嫌い。暴力で解決して争いの火蓋を切るぐらいなら、話し合いで平和的解決を目指す。それでもダメなら話は別だが、…けどそれはあくまで最後の手段だ。
「……だからこそ、私は彼とは相容れない存在だとずっと思っていたんです」
ポツリ、ポツリと自身が思っていることを隣にいる綾に語る。綾は何も言わずに聴いてくれた。時に相槌をうち、確かにとかそうだよねとか言ってくる。
話を終えると綾はうーんと頰をかいた。
「あのねユキ。こう言っちゃなんだけど、今聞いた話じゃさっき私質問した答えにはならないんじゃないかな」
「……え?」
「だって今の話は“ユキは何故兄さんのことが苦手なのか”についてでしょ?私が質問したのは“ユキは何故兄さんに嫌われたと考えているのか”についてだから根本的に話が違うわけですよ」
「……」
「もしかしたらユキは“彼のことが苦手”を“彼に嫌われた”と思い込んでいたのかもしれないね」
「そ、れは……」
違う。そう否定したいのに何故か言葉が出てこなかった。綾の言葉に納得している自分がいるからかもしれない。
確かに綾の言う通りかもしれない。
“苦手”と“嫌われた”は意味が全然違う。
なら私はどうすればいいのだろうか。ずっと彼のことを苦手だと、嫌われているのだと思い込んできたのだ。なのでいきなり嫌われていない、むしろ好かれているのだと言われても困惑する。
苦い顔を浮かべ沈黙する私に綾は心境を察したのだろう。小さく笑みを浮かべた後、「でも」と言葉を続けた。
「本当は薄々気付いてたんじゃないの?兄さんはユキのことを嫌っていないってこと」
「い、いやいや気付いてたって…冗談もほどほどに…」
「いやいや冗談なんかじゃないよ。事実事実。事実だから」
「……証拠はあるんですか?」
「ムーー。疑い深いなぁもう!そこまでいうなら証拠とやらを見せて…いや証言しよう!!」
腕を組みフフンっと得意げに鼻を鳴らす綾は人差し指を立てた。
「まず一つ目の証拠だけど前まで…というか昔は兄さん、ユキのこと殴っていたでしょう?」
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夜野兎(プロフ) - あーさん» まじですか笑笑。なんとなくで思いついたものを詰め込んでみたらこうなりました!!コメントありがとうございます!! (2017年11月23日 15時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
あー - 表紙絵がうけますwww (2017年11月23日 10時) (レス) id: 39cc4c9138 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - にゃーさんさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年11月12日 9時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
にゃーさん - 面白いです。
更新頑張ってください。 (2017年11月12日 1時) (携帯から) (レス) id: bef68917c1 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - 扇華→さん» コメントありがとうございます!!頑張って更新したいと思います!! (2017年11月9日 8時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜野兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2017年11月9日 0時