Engage Ring. (ページ42)

今日:30 hit、昨日:3 hit、合計:48,669 hit

043 ページ42

▼

創刊号、最後やから

俺はAちゃんの撮影を見学した。

最後のテーマに差し掛かった瞬間に

不意にAちゃんと目が合って、

たったそれだけのことで、

俺の心はまた、鷲掴みにされる。

撮られてるAちゃんの表情は

とても柔らかくて、優しくて、

けど、切なくて、儚くて…。

.

.

葵「なに見惚れてんの」

『…っ、、、』

図星を突かれて、何も言えない。

葵「このカットのテーマ、恋する乙女だって。

今、Aちゃんは誰のこと想ってるんだろうね」

葵は、わざと俺を試すようなことを言う。

そして俺は、

………どうか、俺であって欲しいと願う。

と同時に、

Aちゃんが暖翔のために

流した涙を思い出した。

勝てそうにない……か。

葵「Aちゃんのこと

ちゃーんと、捕まえておきなよ。」

『………、は？』

葵「ふふっ、じゃあお先。」

葵は余裕な笑みを浮かべて去っていった。

「お疲れ様でした！ありがとうございました！

………廉くん！お疲れさまですッ！！」

カメラマンさんに元気に挨拶をしたAちゃんが

俺の元に駆け寄ってくる。

『おう、お疲れさん。ええ撮影やったで』

「廉くんが見てくれてたおかげ！ありがとう///」

…なんやねんそれ。

期待させんといて、、、

▲