Engage Ring. (ページ31)

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体がフワッと浮いてるような感覚がして

薄っすらと目を開けると

ぼやっとした視界の向こうには

私をお姫様抱っこしたまま

苦しそうな表情で謝る廉くんが居る。

……廉くんは悪くないのに

だけど、苦しくて

体も言葉も思うようにならない。

『廉くん…ごめんね…』

「大丈夫やから。寝とき？」

廉くんがベッドに運んでくれて

そっと布団をかけてくれると、

左手に優しいぬくもりを感じた。

『廉くん。』

「はい、おやすみ。」

まるで小さい子をあやすように

私の頭をリズムよく撫でる廉くん。

やっぱり、

廉くんにとって私は

ただそういう存在なだけにすぎないよなあ

ギュッと締め付けられる胸の奥とは裏腹に

廉くんのリズムのいい手に気持ちよくなって

自然に眠りにつく私は

やっぱり子供なの？

.

.

____________ハッ！！！！

____________ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ…！！

『廉くん！撮影行かなきゃ！！』

「あほ！！！お前そんな体じゃ無理やろ！」

『いける！絶対いける！行かなあかんの！』

「あかん。今日は休め」

『廉くんになに言われたって行く！』

「……」

『ごめんなさい…でもどうしても行きたいの…』

「…迷惑かけたあかん思ってるんやろ？」

なんでわかったん…

また胸の奥がギュッとなる。

結局、廉くんは撮影に行くことを許してくれた。

しんどくなったらすぐ言うこと、

帰ったら大人しく寝ることを約束して。

廉くんの車に乗り込んでスタジオに向かった。

『廉くん、ありがとう』

「ん。」

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