〇50__図書室のルール ページ50
「俺が行くから」
押し黙っていたヨンジュンが、カタッと音を立てて静かに荷物をまとめ始めた。
そうだ、相応しいのはヨンジュン。私じゃない。
彼女の後を追う彼氏、当然な構図のはずなのに小さく溜め息をついたヨンジュンからは、気乗りしない心の内が感じられた。
そして、私はそんなヨンジュンを咎めたくなった。
それなのに、喉に鉛でも張り付いているよう。何も言えない。
言葉を発する勇気が出ない代わりに、憧れていた彼を一心に見つめた。
もっと、セウンを大事にしてよ。
そう思いを込めた瞬間にヨンジュンと目が合った。
気持ちが届いたのかと期待したけれど、当然そんな奇跡は起こりもしない。
「セウンが言ったことだけど、俺もそう思ってる」
"セウンが言ったこと"が、どれを指しているのか迷ったけれど、ヨンジュンの表情を見てすぐに理解した。
挙動全てが否定されている。そんな気がした。
「俺はAとセウンを思って、」
「ヨンジュンさん」
太い直線のようなテヒョン君の声がヨンジュンを制止した。
続きを聞くことは多分できない。
そうさせないという圧をテヒョン君から感じる。
「それ以上話したら僕は許しません」
機会を阻まれたヨンジュンは「そうだろうな」と自嘲するように笑ってから、教室を出て行った。
テヒョン君がくるっとこちらに向き直り、「すみません」とただ一言そう言った。
恐らく全ての歯車が狂ったこの瞬間、なぜか私は悲観するわけでもなく、「図書室のルール」と冷たく言い放ったあの日のテヒョン君を思い出していた。
曲がったことへの反発と芯の強さを見せた、あの日のテヒョン君を。
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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (
レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます！！泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます！！^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか！って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：am | 作成日時：2021年8月22日 14時
