〇26__心細いかと思って ページ26
「どうする？少し休んでいく？」
「頭は打ってないみたいだけど、その状態で体動かすのもねぇ」と気の毒そうに付け足した先生の厚意に甘えて、ベッドで休むことにした。
付き添いで来てくれたセウンは既に授業に戻っていた。
口角の絆創膏が、ぱりぱりとした違和感を伴っていてむず痒い。
「用があって少しだけ空けるから、何かあったらここ押してね」と電話の内線ボタンを示した先生に一礼して、束の間の静寂を心地よく過ごすことにした。
どうせ行ってもなぁという漠然とした気怠さは確かにあった。
養護教諭の姿は初めて見たけれど、ゆるそうな人で良かった。
ひと眠りしようかと体を傾けて、寝ぐせつくかな？浮腫むかな？なんてしょうもない事がちらついて断念した。
ベッドの淵に腰掛けてスマホを取り出し、セウンへ無事の連絡を入れると即座にスタンプが返ってきた。
そして、そのままテヒョン君にもメッセージを送った。
顔面でボールを受けたという事実が恥ずかしくて、情けないからこそ誰かと共有して笑いへ昇華したかった。
特にすることも無くしばらくボーッとしていると、入口の扉が開いたので先生が戻ってきたのかと顔を上げた。
「大丈夫ですか？」
「！？えっと…、どうしたの？」
予想外の人物の登場に思わず立ち上がる。
入り口から顔を覗かせていたテヒョン君は、「どうしたのはこっちの台詞ですよ」と隣に腰を下ろした。
「授業は？」
室内を見回して誰もいないことを確認したテヒョン君が、こう言った。
「『頭痛がするので薬貰ってきてもいいですか？』こんな感じです」
左手を上げながら実演してみせたテヒョン君が、「こういう場面で使うべきです、頭を」と誇らしげにこめかみを人差し指でつついた。
授業中にも関わらずメッセージを確認できたのも、その頭のおかげなのだろうか。
「抜けてきたの？」
「はい、すぐ戻ります。心細いかと思って顔出しに来ました」
大きな目に見据えられてドキッとした、気がした。
こういう事をスマートにこなすんだから、全く。
「ありがとう」
言いようのない温かさに触れたせいか、ぎこちなくはにかんだのが自分でもわかった。
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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (
レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます！！泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます！！^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか！って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：am | 作成日時：2021年8月22日 14時
