【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。

9."君"について(Oikawa side) ページ11

○
Oikawa side








俺の前を走る、名前も知らない君。



そんな君との出会いは昨日、俺と岩ちゃんがいつも通り公園でバレーをしていた時




俺がスパイクをうったときにぶっとばしたボールが、たまたま公園の横を通りかかった君の足元に転がっていった、まさに偶然だ



君が俺たちに向かってサーブをうったときは驚いた。テレビで見た、春高で男子がうっているように綺麗なフォームだった




俺と岩ちゃんは"君"の存在が気になって、次の日の授業は2人ともぼーっとしてて怒られたんだよね







「…なんですか、


…あなた達は、昨日の…」



『っ…』






そんな君を待ち伏せした時、振り向いた君の綺麗な瞳と見たら、全身に衝撃が走った


吸い込まれそうな、綺麗な青色の瞳。透き通っているのに、どこまでも深いような感じ




長い髪も綺麗な白銀。教科書で見た"絹糸"ってやつに似てるなって思った




いま、君に掴まれた所だけ腕が熱くなっている

なびいた髪からいい匂いがして、どきどきとうるさい俺の心臓は、走っているからなのだと自分に言い聞かせた




隣の岩ちゃんをちら、と見れば、「どこに連れていかれるんだ」とでも言いたげな表情。



でも、その耳先は赤く染まっていた




＿＿＿ああ、やっぱりね。





そう思ったけど、口には出さなかった




.




「…ついた、


急に走ってごめんなさい。話なら、家の中でしよう。上がって。」



『…え、えーっと…』



「…サーブのこと、聞きたいんだよね、？


教えるから、はやく入ってほしい、な。」



岩泉「…お邪魔します、」



『え、ちょっ岩ちゃん！？』



岩泉「…サーブのこと、聞きたいんだろ


行くしかねーだろ」








確かに、サーブのことは知りたい

でも、心の準備とか色々…


その場に立ったまま俯いていると、ひょいと目の前に君の綺麗な顔が現れた






「…大丈夫？具合でも悪いの、かな…？


とりあえず上がって、？」




『〜っ、いや！大丈夫大丈夫！

それじゃ、お邪魔しまーす！』







どきっと大きく心臓が跳ねたお陰で、逆に冷静さを取り戻すことが出来たため、いつも通り"余裕"を見せて彼女の家へと入る



通された部屋は、彼女の部屋だろうか、大きな棚には大量のCDケースや雑誌、小学生にしてはシンプルな部屋だと感じた






「…お茶入れてくるから…荷物はそこに置いて、座ってまってて貰えるかな、？」








彼女はそれだけ言って部屋を出ていった






○

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