魚達は大海に放流された。【名探偵】 (ページ2)

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02.気付いてしまったからには。ページ2

最初の数日は危険を予感させるこの世界に戦々恐々とした。

でもそれを過ぎたら世界を怖がるのにも疲れてしまった。だってこの世界が危険だったとしても、私はこの世界で生きるしかないしこの世界にはシルクさん達もいるのだ。

今の今まで、多少の紆余曲折はあれど危険そのものに居合わせたことはなかった。だから私はこの三年間工藤新一等々が同じこの世界に存在していることに気付かなかったのだ。

…お父さんとお母さんと一緒に居たときは二人がニュースを見る人ではなかったし、シルクさん達と一緒に過ごすようになってからは私、YouTubeにかじりついてたからなあ。ことごとくそれを知る機会を逃していたと言える。

…何かあったら外聞捨てて彼等に協力してもらうことにしよう。コナンくんとか安室さん達に協力してもらえたなら、悪いようにはならないはずだ。大好きなシルクさん達が危険な目に遭うのは許さない。

「あ、Aが元気になったー。もう大丈夫？」

「もっきゅ。うん、Aはもーだいじょぶよ！」

シルクさん達にも心配を掛けてしまった。件の数日、私は彼等にくっついて離れなかったから。

もう大丈夫だ、とフォローして安心してもらうことにしよう。

「あのね、Aずっとこわいゆめみてたの。でもね、きょうしるくさんたちがえいやーってのこわいのたいじしてくれたんだあ。えへへ、ありがとー！」

「え～それ身に覚えない～！でもどういたしまして！」

「すごいのよ、しるくさんたちわっしょいわっしょいってこわいのつれてっちゃったの！」

「扱い方が物凄い暴挙過ぎるｗ」

可笑しそうに笑うモトキさんに私も釣られて笑う。好き勝手作り上げておいて難だけど、我ながら夢らしい突飛な内容である。

話の流れでモトキさんにわっしょいわっしょいと高い高いされてきゃっきゃとはしゃぐ。これが出来るモトキさんが凄いなあとも思いながら、私はぶんぶんと両手を回した。

「わっしょー！わっしょー！きゃはははっ！」

ン「あれえ？！シルク、いつの間にかモトキとAがめっちゃ盛り上がってる！」

シ「あれえ？！俺達が出掛ける前はめっちゃしんなりしてたのになんで？！」

「しぅだほちゃおかえりゃー！」

シ「タダイマー↑！！」

ン「立ち直りめっちゃ早ｗｗ完全に兄妹じゃんｗ」

「だほちゃ！おかえり！」

ン「んふふｗｗただいまー！」

危険でさえなければ、繰り広げられるのは日常である。

私の大好きな日常である！