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私は今、とある部に部活見学に来ている。
何故かまだここが何部なのかも分からないのに見学という名目でかれこれ十分ほど居座ってしまっているのだ。
「へー、じゃあAはほぼ部活経験ないんだ。」
「そういうことになるかな。中1にしたのが最後だから。」
今ここに居るのは私を含めた三人。
同じクラスの若里春名くん。
隣のクラスで、部長の秋山隼人くん。
二人とは、今日はじめて話したはずなのに、すっかり打ち解けていることに自分でも少し驚いた。
いつもなら、他人と話せるようになるのに結構時間がかかるのだが。
それもこれも、この二人の性格のおかげだろうか。
「ちなみに、中学では何部だったの?」
「一応吹奏楽部だったんだけど、あんまり好きじゃなかったかな・・・」
だから、一年でやめたのだ。
別に、特別厳しかったとか、先輩が怖かったとかではない。
なんとなく、ぴんとこなくてやめた。
「興味ある部とかは?」
「今は特にないよ。でも、入らないといけないんだもんね。いろいろ見学行かなきゃかな。」
「急に決めろって言われても難しいよね・・・。」
そういって隼人君が苦笑いしたところで、部室の扉ががらがらと音を立てた。
二人の話だと部員は後三人。
そのうちの一人だろうか。
振り返るとそこに居たのは、異常なくらいにオーラが出ている男子だった。
世間一般に言う、イケメン、というやつだ。
「あ、夏来!おせーぞ!」
彼の名前は、夏来君と言うらしかった。苗字は分からない。
「ホームルーム長引いてたもんな〜・・・」
長いホームルームほど面倒なものはないと思う。
それを受けて部活にきたのかと思うと少なからず同情する。
「うん・・・。ジュンは、その後また先生に呼ばれてた・・・。」
「うっわっ、ドンマイだわ・・・。」
見た目から受ける印象とは少し違う、高めの声にゆったりとした話し方。
表情はあまり変わっている様に見えないが、怖い人でないのは確かだ。
「えっと・・・その人・・・」
「あ、こいつ?お前のクラスでも言われただろ、今日、転校生が来るって話。」
「うん・・・。じゃあ、その・・・。」
どうやら、私が転校生だというのは理解したようで小さく頭を下げてくれる。
話し方だけではなく動きも若干スローペースだ。
「はじめまして、渡瀬Aです。」
「榊夏来・・・。よろしくね・・・。」

夏→←秋



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- 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時

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