100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ7)

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最期の幕開けページ7

授業は懐かしい内容ばかりで、まったく理解不能だった。

嗚呼、見たことある…。とか、嗚呼…懐かしいな…とか思うばかりで答えが頭に浮かんでこない。

そりゃ、99万回もいろんな人生を繰り返せば高校生の勉強なんて完全に忘れている。

一度や二度は経験した高校3年間だけど。

ここ最近、第80万回目～99万回目の人生は学生ではない立場だったし。

農家のオジサンだったり、イタリアの貴族の使用人だったり、ガラス職人の美女だったりした。

ﾌﾟﾚ「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは？
転校生の～Aクン！いってみよー！！」

テンションの高い英語の教師に、突然指名された。

嫌がらせか？黒板に書かれた問題の意味が、まったく分からない。

懐かしい文法なのは、分かる。

『あ……ハイ…。』

嗚呼、懐かしい…けど何だっけ？

アレだよ、ほら…関…何とか。whichだかwhoだかthatだかを途中に挟むやつ…。

教科書を見る。見ても、意味が分からない。懐かしい。…無理ゲー(泣)。

『えーっと………』

爆「…④だ、クソバカ」

隣の爆豪が、寝たふりをしながら小さな声で呟いた。

『！…④です！』

ﾌﾟﾚ「せ～かい！やるねぇ～転校生！」

助かった…。さすがに、冷や汗かいた。

俺は寝たふりを続ける爆豪の背中を揺すった。

『な、爆豪…さっきは、ありｇ…』

爆「あ”ぁ！？触んじゃねぇクソチビ！」

爆豪はキレて、俺の手を払いのけた。

『え、あぁ、悪い(汗)』

教えてくれた礼を言おうとしたんだが…どうしたものか。

照れ隠しのつもりか？だったら、ガキらしくていいな。

久しく子供と接していないから、新鮮だ。

今夜は徹夜で勉強だな。明日からは、どんな問題でも解るように。

懐かしさだけで、問題の答えは分からない。

授業終了のチャイムが鳴った。

午前の授業が終わり、皆は弁当やら財布やらを持って移動する。

俺、金持ってきたっけ？

俺は自分の鞄の中を確認した。

財布がなかった。

『……まぁ、1食くらいぬいてもいいか。』

明日からは、母親に弁当でも頼もう。あの母親なら、作ってくれそうだ。

そういえば、父親も気になるな。顔を見てみたいものだ。

ﾊﾞﾝｯ

『っ！？』

突然、俺の机に1000円札が叩き付けられた。

爆「世話やかすんじゃねぇよクソボケ！」

え、頼んでないが。

爆豪は、俺に1000円を恵んで教室から出て行った。

『あ、ありがとう！明日、返すからな！』

爆豪の背中に、俺は声を届けた。