100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ24)

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ヴィランに対するヒーローの存在ページ24

俺は一体のヴィランもいない瓦礫の上に連れて行かれた。

そこに座らされて、大怪我している相澤先生の隣にいる。

俺の涙の治癒が相澤先生の重体に追いついていない。

脱水になりそうで、俺は水筒のアク○リアスを飲んだ。

着々と相澤先生の治癒をしてゆく万斛の涙。

苦しそうに顔を歪めながら、浅い呼吸を繰り返す相澤先生。

いつも間に重体になったんだ？

あぁ、そういえば、白髪のヴィランの他にも大型な気色悪いヴィランがいたな。
そいつにやられたのか。

ｵｰﾙ「もう大丈夫

私が来た」

オールマイトは、毎回お馴染みの台詞を言った。

何が、“私が来た”だ。

誰が来たって、大丈ばない。まったく、あと少しでヴィラン界のトップを聞き出せたのに。

ヒーローよ、来るタイミングが悪いぞ。

俺に呪縛をかけたその口で、ヒーロー気取りも大概にしろよオールマイト。

俺は黙って、ヴィランとオールマイトの戦いを観戦した。

まもなく、オールマイトは絶体絶命となった。

その瞬間、救助が入った。

爆「どっけ！！邪魔だ！！！」BOOOM

大きな爆破で、場を凌いだ。

そこには爆豪、轟、切島の3人がいた。

怪我していなかった。よかった。

安堵したのもつかの間、微かにしか会話の聞こえない中で爆豪に攻撃が向いた。

『っ、は＿＿＿＿＿！？』

俺は自分が何をしているのか、まったく分からなかった。

自分の個性“万斛の涙”が強制的に俺を爆豪へ攻撃せんとするヴィランの元へ移動させた。

そして、涙は俺に無意識的に攻撃させた。

大型で気色悪いヴィランの脳漿に、俺の腕がズップリと差し込まれてかき回された。

飛び散るヴィランの脳漿。

俺を乗せて、腕を操る大きな涙の粒。

爆「Aっ！？」

ｵｰﾙ「A少年！？」

爆豪も、オールマイトも、他のヴィランも、俺一点に視線を集めて唖然とする。

俺自身も唖然としながら、ヴィランの脳漿をいじくり回している。

気持ちが悪くて、俺は腕を引き抜こうとする。

しかし、涙はそれを許さなかった。

まだ足りないとばかりに、執拗に脳漿を飛び散らせる動きをする俺の腕。

その“脳無”と呼ばれた大型なヴィランは、頭がグジャグジャになった状態で地に倒れ始める。

その反動で、やっと俺の腕はヴィランの脳みその中から解放された。

未だ流れ続ける涙によって、俺の腕の汚れが綺麗さっぱり無くなってゆく。

『っ……』

自分の個性の気持ち悪さに、俺は吐き気を催して口を押さえた。

最悪だ。