100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:166,416 hit

ヴィランに対するヒーローの存在ページ22

会場に着いた。

眠い目を擦りながらバスを降りると、ありとあらゆる災害を想定した景色が広がる。

景色に感心しながら、13号先生からの説明を聞く。

『ふぁあ～…』

おっと、欠伸が。

相「オイ、A」

『あ、すみません。』

さすが担任。目ざといな。

その時、昔の懐かしい香りが鼻孔を掠めた。

昔、俺が重罪を背負った日のような“何ともいえない匂い”だ。

『あの、何か変です。』

相「？何が＿＿＿＿＿＿」

ｽﾞｽﾞ＿＿＿

ズズズ＿＿＿＿＿

空間が割れた。

中からは、多くのヴィランが現れた。

相「一かたまりになって動くな！！
13号！！生徒を守れ」

俺は懐かしさに浸って、呆然と有様を見ていた。

他の生徒は半パニック状態かつ臨戦態勢だった。

悪意の塊が行動を開始させた。

相澤先生は果敢にも戦った。一人で。

爆「オイ、A！俺から離れるなよ！！」

爆豪は俺を守るように構える。

なんだ、格好良いじゃんか。

まぁ、俺は守られる側じゃないけど。

『ははｗ、ありがと。爆豪、怪我すんなよ。』

俺は爆豪の髪を撫でて、それから爆豪とは少し距離を取った。

爆豪も含めて、余裕の無さそうな表情をしている。俺が奪った命が終わる瞬間のように。

懐かしい。本当に、ヴィランなんて何万年ぶりかな。

平和惚けした人生を経験してきて、俺も少し生ぬるくなっていた様に感じる。

当時の感覚が少しずつ戻ってくる。

感覚が戻ったところで、この個性じゃどうしようもないのだが。

ズア

突如、漆黒の闇が俺達全員を飲み込んだ。

各自、何処かのエリアに飛ばされてしまったようだ。

俺は一人、相澤先生と同じ場所に取り残された。

ﾀﾋ「っ、お前、なんで飛ばされてない＿＿＿＿」

ヴィランのボスみたいな奴が、俺を見て驚愕の表情を浮かべる。

空間転移みたいな個性は、俺には効かなかったらしい。

『分からん。』

そのヴィランを見ると、バックには誰か大物がついているようだ。

オドオドした小心者に、ここまでの行動力はない。

しかし、ヴィラン界も変わったなぁ…。組織を結成し、規則で縛り、上の命令は絶対というわけだ。

あーあ、当時の楽しさは消え失せたか。悪意にもいろいろあるんだな。

現代のヴィラン界は、言うなれば…“陰険な悪意”の塊になっているらしいな。

相「A、下がってろ」

『えー。じゃあ、ちょっと失礼して。』

俺は普通に歩いて相澤先生の横を素通りし、ヴィランの目の前まで接近した。