100万回生きた俺。【ヒロアカ】 (ページ18)

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ヴィランに対するヒーローの存在ページ18

ワイワイと盛り上がっていた教室が静まりかえった。

俺の胸倉を掴んでキスしている爆豪に、視線が集まる。

そっと唇を離し、爆豪はかなり近い距離で俺と目を合わせた。

『っ、…爆豪、ファーストキスだったか？』

ぎこちないキスを、懸命にしていた爆豪。

突然キスしてきた相手にいう言葉じゃないが、どうしても聞いておきたかった。

もし初めてが俺だったら、罪悪感で一杯になる。こんなオッサンだぞ。

見た目はともかく、中身は相当年配だぞ。

爆「っ～////お前だって初めてだろが！？」boom

爆豪は顔を真っ赤にして、必死に俺の答えに期待する。

残念ながら、俺は初めてじゃない。数え切れないほどの情事もキスも経験済みだ。

経験した人生の数が多すぎる。だから、情事の経験だって比例している。

でもまぁ、…この“逢坂A”の体では初めてか…。

そうだな、これがファーストキスというもかもしれない。

『…もちろんだ！
頑張ったな、爆豪。気持ちよかったぞ』

俺は今にも爆発しそうな爆豪を引き寄せて、髪をなで回した。

まだ十数年しか人生を経験していない割に、頑張ったほうだと思う。

爆「てめぇ、本当は初めてじゃねぇだろ！んだよ、その間は！
それに妙に手慣れてやがる…クソが！」

爆豪は怒りながらも、髪を撫でる俺の手を払おうとはしなかった。

素直だな、本当に。素直じゃないように見えるだけで、本当は素直で単純な奴だよ。爆豪は。

『本当だ。…その、次は胸倉を掴まないでキスしてくれ』

胸倉を掴まれたままキスされるとか、苦しい。

爆「っ…///次…////とか…あるんかよ///」

『あぁ、よろしくな。』

爆「っ～////」

爆豪は湯気を出しながら、ワナワナと震える。

照れているのか、なるほど。

現代の高校生は、分からんな。どこに照れる要素があった？

若いってのは、こうも感情の起伏が激しいんだな。

かなり昔の話すぎて忘れていた。

俺と爆豪のやりとりを凝視していた相澤先生は、頃合いを見て言った。

相「おめでとう、A。
たった今、恋人ができたな。」

『は？』

皆から“おめでとう”やら“結婚式はいつ？”やら聞こえてくる。

いや、その展開おかしいって。誰が俺の恋人だって？

たとえ恋人ができたとしても、子供か孫みたいで加護欲しか湧かないぞ。

相「爆豪
お前、Aが泣いたらキスして泣き止ませてやれ」

爆「わかった、任せろ」

妙にキリっとした爆豪と、結婚式の日取りを考えるクラス皆がいた。