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村人たちに遠巻きに見守られつつ進んでいった先に、一際大きく広い建物があった。
そこが目的地だったようで、殿下の乗った白馬が止まる。つられて、私たち一行の列もそこで止まった。
その建物の前には、十数人ほどの男性が立ちはだかっていた。
……いや、別に立ちはだかった訳じゃなくて、逆に迎えてくれたというほうが正しいんだろうけど。
所々が王都のものとは異なった特徴的なそれは、この地独特の民族衣装らしく。
それを揃って纏った彼らは、そこに立っているだけで何というかひどく威圧的に見えた、というだけである。
「……ようこそ、遠い地まで足を運んでくださいました、殿下」
「あぁ、出迎え感謝する。して、貴方が長の？」
「はい、グルッペン・フューラーと申します」
その中でも、中心に陣取り、一際オーラを放つ金髪の男性。
グルッペン・フューラーと名乗った彼は一歩進み出て、一国の王子相手に臆することなく、薄く笑みを浮かべた。
響くような低い声は、後ろにいる私たちにもよく聞こえてきた。
殿下方の挨拶が始まると、私たちお付きの人間は頭を垂れて待機する。
挨拶の内容は他愛もないものだった。曰く、竜王の誕生をお祝いするだとか、一行を歓迎する準備は整っているだとか。
体裁を繕うようなその文句たちは、おそらく両者ともが、心を込めていない。
『……』
――なーんか、嫌な感じだこと。
視線を地面に向けながら思う。
正直この村に入ってから薄々は感じていたが、この村と王国側って――もしかして仲、悪いんじゃね？
ちら、と目線だけ上げてみた。
『(……うわ)』
運悪くその中の一人と目が合ってしまい、急いで視線を落とす。
ダメダメ。あれは完っ全に、「何だこいつらは」の目です！
ひええ、と胸中で悲鳴を上げる。こりゃあ面倒事が起きる前に、ちゃっちゃと終わらせて帰りたいぞ。
建物の背後には、高くそびえ立つ灰色の巨大な山岳が見えていた。
あの中が竜の棲み処らしく、件の"竜王"もそこにいるらしい。
『……はぁ』
――さっさと竜見て、かーえろ。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
