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「《うるさ、黙れ》」
『《あ、あんた、だって、に、人間、に……！》』
「《おー。お前がやれって言ったんじゃん》」
『《そうだけど！》』
――だってほんとに出来るとは思わないじゃん！
先程まで白銀の巨体が居座っていた場所には、一人の青年が立っていた。
彼を一言で表すとしたら、白、だ。髪、肌、そして纏っている柔らかそうな布地さえ、眩いほどの白である。
腰辺りまで伸びた髪の毛は、ほぼ白に近い銀髪で、女として嫉妬しそうなほど煌めいていて。
よく見たら首筋や腕などに、竜の姿の名残であるかのように鱗のような突起が見えていた。もちろんそれも白銀色で、元々白い肌を一層きめ細やかに見せている。
そして何より。
『《……あんたほんとに、私の元弟？ めちゃくちゃイケメンなんだけど》』
「《おっ、流石俺。逆にお前は、相変わらずアホな物言いだな》」
『《あら、その減らず口は正真正銘、あの馬鹿弟ね》』
見た目も、そしてその妙に色気のある掠れた声も、前世の記憶とは重なりやしないのに。
その声が紡ぐ言語と口調だけが、私のよく知っているもので。
『《……今度、鏡でも持ってきてあげるわ》』
「《はっ、苦しゅうない》」
『《調子にお乗りなさるな？》』
――竜王だからって。
最後にそう付け加えると、竜王は意地悪そうな表情から一変、苦虫を噛み潰したように眉をしかめる。
彼は手近に寝そべった竜を背凭れにして座り込むと、いかにも尊大な様子で腕を組んだ。
「《その、"竜王"っての》」
『《ん？》』
「《一体、何なわけ？》」
『え……』
突飛な質問に、目を瞬く。
『《何って……あんたのことでしょ》』
「……。《へぇ、そう呼ばれてんだ、俺》」
『……』
軽く笑いながら言われ、私は二の句が継げなくなった。
上手くは言えないが、冗談で流していいような内容ではないんじゃないか、と思ったから。
そうして思い出す。竜王が今まで、人間の言葉など理解していなかったこと。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
