13#二度目の ページ48
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青く光るドームの中は、すでに一度目にしたとはいえやはり幻想的な空間だった。
竜たちは奥の一所に固まっていた昨日とは違い、竜の間の至る所に寝そべったりなどしている。
私たちが入ってきたのに気付くと、竜たち及び、竜王も頭をもたげてこちらを見た。
『……』
しかし、そこから動く気配を見せる竜は一頭も居なかった。
「……。俺、ここで待ちます」
竜王へと続く道の半ばで、ショッピさんは立ち止まる。私は一つ頷いてから、彼を追い越して歩みを進めた。
『……わ！』
私がショッピさんから幾ばくか離れたところで、何頭かの竜がひらりと飛び寄ってきた。
驚いたけれども、それが比較的小さな竜ばかりだったこと、そして控えめに頭を擦りつけたり尻尾で撫でられたりなど、悪意のある触れ合いではなかったこともあり。
『(……すごい、竜に懐かれるなんて)』
私、自分で思ってるよりも、凄いことをやってのけているのでは？ なんて考えてしまう。
しかしこうして実際に触れてくれるのは小さな――おそらく子供の竜たちばかりで、他は離れたままじっと見てくるだけであった。
子供の竜でも近寄ってこないものもいるし、立派な成竜だと思われる大きな体躯のものは言わずもがなだ。
『……《おはよう》』
「……。グオ」
最奥の巨体の前で立ち止まり、見上げて挨拶をすれば、呼応するように返事がある。
どうやら昨日のことは、都合のいい夢でも妄想でもなかったみたいだ。
『……。《不思議なことも、あるもんだねぇ》』
「……」
呟きつつその場に座り込み腰を落ち着ければ、竜王の白銀の頭が下りてきた。
地面に寝そべって、ほぼ同じ高さにきた黒曜石の瞳は、どこか期待を込めたような色で見つめてくる。
『(……ほんと、不思議)』
本来なら敬畏すべき存在であるはずのこの瞳から、懐かしい態度しか感じ取れないのだから。
何を話そうか、何を聞こうか。そう考えていたはずだった。
しかしいざ目前に機会がくると、どう切り出すべきか分からない。
『《事故、だったね》』
口から滑り落ちたのは、"私たち"の最期の記憶だった。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
