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最初に挙げられたシャオロンさんというのは、どうやら先程の一番下の彼らしい。
赤いニット帽が、シャオロンさん。覚えなくてもいい、を鵜呑みにする訳にもいかず、心の中に書き留める。
彼は他二人を置いてささっとこちらに歩み寄ると、人の好い笑顔で手を差し出してきた。
「シャオロン、よろしく、願い、ます！」
『あ……Aです、よろしくお願いします』
「ふにんき、です！」
『え？』
――不人気？
唐突に出てきた単語に、思考が止まる。どういうこと？ と首を傾げると、先に吹き出したのはグルッペンさんだった。
彼はシャオロンさんに何事かを問いかけ、対するシャオロンさんはきょとんとした表情で「だいせんせー」と答えていた。
グルッペンさんはひとしきり笑った後、私に向き直る。
「すまんすまん……いや、気にしなくていい。こいつなりに挨拶を勉強してきたようだ」
『はい、恐れ入ります』
シャオロンさんはいまだ首を傾げていたものの、私が握手に応じると、にぃっと笑顔を浮かべた。
そして入れ替わるように現れたのが、コネシマさんとゾムさん。
対する彼らはシャオロンさんに比べると警戒が強いようで、じろりと観察されているのが分かった。
特にゾムさんという男性は、フードを深く被っていて目元に影が差し、僅かに見え隠れする瞳も鋭くて威圧感がある。
人知れず身を竦ませていると、そんな二人を宥めるような声が上がった。ひとらんらんさんだ。
ひとらんらんさんに咎められ、二人は僅かに身を引く。
「……。コネシマ」
少しばかりぶっきらぼうではあったが、明るい金髪の彼は、そのよく日に焼けた手を差し出してきた。
おそるおそる手を伸ばすが、届く前にコネシマさんの手はぱしん、と音を立てて消える。
どうやら私と彼との間にいたショッピさんが、コネシマさんの手を叩き落としたらしかった。
何故、と問いかけるより先に、コネシマさんとショッピさんの言い合いが始まり、ついには取っ組み合いにまで発展してしまう。
『(え？ 喧嘩始まったんですけど。……え？)』
呆然としてただ眺めていると、周りはガヤを入れ始め、そうでなくとも可笑しそうに笑っていたり、溜め息を吐いていたりする。
あ、日常茶飯事なんだ、とある意味納得してしまった。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
