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『(そういえば、家族、って言い方してたよね)』
口ぶりからはこの女性だけではないと思ったんだけど。
……とそう考えていると、台所横の仕切りの向こうから、ダダダッ、と小気味良い足音が聞こえてきた。
「しょぴー！！」
ぴょこんと顔を覗かせて、舌足らずの可愛らしい口調で隣の男の名前(多分)を呼んだ、小さな影。
その姿を目にして、私は瞬いた。ショッピさんに駆け寄ろうとした女の子が、隣に立っていた私を見つける。
女の子は小さな手を目一杯に広げて、あぁー！ と高い声で叫んだ。
『(……この子、昨日の)』
――赤い果実を狙う、可愛らしいハンターさんだ。
思わぬ再会に、素直に驚く。あれ、ていうことは。
『あ……！』
女の子に続いて顔を出した妙齢の女性は、思い描いていた通りの人だった。
昨日村を回っていた際に、果実を一粒転がして、最後に笑顔で会釈してくれた、あの女性。
まさかまさか、そんな偶然。
私とその女性は、しばらくお互いに目を見開いたまま固まっていた。
どういうことか、とお母様とショッピさんを見やった彼女に、ショッピさんは同じように説明する。
彼女も最初こそ驚いていたものの、すぐに昨日みたいな優しい笑顔で頷いた。
『(ほんと、すぐに受け入れられちゃった)』
たった一言二言で、遠く王都から来た見ず知らずの女を家に迎え入れるか？ 普通。
情が厚すぎる。にこにこ、にこにこ、裏のない笑顔が三つ、私を見つめていた。
へぇ、それはそれは、まぁ。胸中で息を吐く。
当の自分のことながら、"信仰"というのは時に危ういものだなぁ、と思った。有り難いのに変わりはないが。
「んんー、A？」
『ふふ、うん』
名前だけでも、と自己紹介をすれば、女の子は一生懸命に復唱してははしゃいでいた。
昨日のこともあってか比較的懐いてくれたようだが、女の子はすぐにショッピさんの足にしがみついてしまう。
『(……嬉しそう)』
性格柄、満面の笑みというのはあまり出ないのだろうが、ショッピさんの頬は確かに緩んでいる。
あぁ確か、彼は普段離れて暮らしているんだっけ。今日も久しぶりに会ったのかも。
慈しむように優しい手つきで、女の子の髪を撫でる彼を眺めながら、そんなことを考えた。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
