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「この後、彼らに詳しい説明を頼んでいるが……もしも疲れているようなら、明日に回そうか」
『……いえ、今お聞きします。その後はきちんとお休みを頂きますので、ご安心ください』
「そうか。じゃあ、グルッペン殿」
「えぇ、お任せください」
「うん。A嬢、ではまた明日ね」
ソファーから立ち上がった殿下は、護衛騎士を連れて部屋を退室する。
その背中が見えなくなるまで深く礼をした私は、ドアの閉まる音を聞いて、確かに張り詰めていた糸が切れるのを感じた。
溜まっていた息が、肺から吐き出されていく。
面を上げて、私は再びグルッペンさんと向き合った。
「どうぞ、お座りください」
『……失礼します』
しかしここから、また違った緊張感ではあるぞ。
殿下を"でかすぎる権威"とするなら、対する彼はいわば、"不明瞭な存在"だ。上げた口角のその奥で、何を含んでいるのか予想がつかない。
「……。……ふ」
『……？』
突然、笑われた。
まず何を言われるかと身構えていたところへの、突拍子ない一投目。
『な、何か？』
「いえ、随分緊張されているようなので。もう少し、楽になさってください」
くつくつと笑う顔は、確かに面白いものを見ているような表情をしていたが、どうやらそこに悪意はなさそうだというのが分かった。
もう一度深呼吸をしてみると、あら不思議。私は自分が思っていたよりも竦み上がっていたようで、張った肩がすとんと落ちる。
一緒に来たトントンさんオスマンさんの他に、あと数人も控えているようなこの状況を、ゆっくり確認する余裕さえあった。
それを受けて、グルッペンさんも頷いている。
「……さて。突然のことに困惑もされているでしょうが、何卒ご容赦頂きたい」
『いいえ。殿下のご意思でもございますし、ある程度予想はしておりましたので』
「そう言って頂けるとこちらも有り難いです。A様――と、お呼びすればよろしいでしょうか」
『……この村でまで身分を振りかざすつもりはございません。どうぞお好きにお呼びください』
――正直、この人に畏まられると逆にコワイ。
そういった意味でも返した言葉だった。しかし。
「ほう、それは何故？」
『え？』
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
