ギャップ−８ ページ18
＜Yuzuru Side＞
「ごめん。俺が悪かった。Aさんの気持ちや立場を考えていなかった」
「……あ、え、……うん、いいよ」
素直に謝罪の言葉を伝えたら、Aさんが驚いたように目を見開く。
なんだよ？ 謝らない奴だと思われてたの、俺。
確かに超がつくほど頑固で負けず嫌いだけど、悪いところを認められないような器の小さい男じゃないんだけどな。
「洋服はこの後買いに行くね。手土産は……」
「駅前のデパートで、全国のうまいもの展やっていた気がする」
今朝見た折込広告を思い出す。
「じゃ、名古屋のお菓子もあるかも。行ってみる」
「うん、ごめん。ありがとう」
Aさんは、いつまでも怒らずに、ちゃんと解決方法を考えてくれた。
やっぱり、いい子だな。
「あとさ、これ見てくれる？」
俺は持ってきたリュックサックから、ipadを取り出した。
あらかじめネットで見繕っておいた物件を表示させて、Aさんに見せる。
「どこがいい？」
「え？ 家賃払ってもらうんだから、結弦くんの気に入ったところでいいよ」
「あー、ダメダメ。台所とか収納とか、俺じゃ使い勝手がわかんない。場所とか部屋数は俺がいいなってところを選んでるから、Aさんがその中から見て決めてよ」
「そう？ じゃ、わかった」
「ほら、こことかどう？」
自然、二人でipadを覗き込むような姿勢になって、体温を感じるぐらい距離が近くなる。
ふわっと香る、柑橘系の清潔な匂い。睫毛、長いな……。あ、こんなとこにほくろがあるんだ……。
―――ヘンタイか、俺は。
「ねぇ、結弦くん」
俺が自分で自分に突っ込みを入れていると、パッとAさんが顔をこちらに向けた。
「……あ……」
吸い込まれそうに綺麗な黒い瞳が近くにあって、俺の顔を映している―――
息が止まって、身動きができない。
けれど、Aさんはゆっくりと瞬きすると、そっと距離を取った。
「結弦くん。……あの、家賃高くない？」
表示されている金額を指さすAさんは、落ち着いていた。
ドキッとした自分がバカになるぐらいに。
「……結弦くん？」
「え、ああ、家賃ね」
まー、そうかも。
まず、セキュリティがしっかりしているマンションじゃなきゃダメだし、立地、日当たり、それぞれの個室やトレーニングする部屋……いろいろ条件で絞ったら、二十代のカップルが住むには贅沢な金額になるのはしょうがない。
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エミル(プロフ) - MERさん» MERさん、ご指摘ありがとうございます。気を付けます (2021年7月14日 23時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
MER - 所々美百合さんになってますよ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 39acd1ff39 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、初めまして。コメントありがとうございます。わくわくするって感想、とても嬉しいです♪羽生さん、大人っぽいですかね？今後も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年7月12日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - はじめまして！斬新な設定にわくわくしています＾＾ここの羽生さんはとても大人っぽいですね。大人な羽生さん大好きなので、嬉しいです！更新頑張ってください！ (2021年7月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年7月10日 18時
