私は幸せ者 ページ6
やがて人通りの全く無い道へ出ました。
ここは、中也の職場の前の道。
手足は砂利で汚れ、ガラスの破片で切り、容赦なく降ってくる雪で身体中濡れ、凍えてしまいそうでした。
中也、中也…。
なァ、なァと、暗闇に吸い込まれてしまいそうなぐらい小さな声で、ドアをカリカリと引っ掻きます。
血がにじみ、引っ掻くたびに鋭い痛みが私を襲いました。
寒さと空腹で死んでしまいそうでした。
中也、出て来て…中也…
引っ掻くのにも疲れ、涙が滲んできました。
どさりとその場に倒れ込み、中也が出てくるのをひたすら待ちます。
どうか、最期に一度だけ…
抱き締めて、笑顔を見せてもらいたかった…
がちゃり。
きぃぃ……
うっすら目を開けると、見覚えのある黒い靴。
「手前、なンで…!!此処…!!」
中也の、声だ。
雪も降っているし、あの時みたいです…。
暖かい腕に包み込まれて…私は、幸せ者、ですね…。
…あぁ、泣かないで…
どうか、どうか…
もう声も掠れて出ないけど、それでも私は…
「…ァ…」
貴方といて、とても幸せだったのですよ
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なぴあ - すごく面白かったです〜!!! 猫も中也も好きなので幸せでした(泣) これからも頑張って下さい!!! (2022年3月11日 16時) (レス) @page8 id: bc58708f8e (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - 既存の作品をもとにした二次創作なのでオリジナルフラグを外してください。多分低評価もそれが原因かもしれません。 (2018年4月9日 20時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうしゅ(プロフ) - はじめまして!!この話をよんで思わず涙が零れそうになりました。これからも頑張って下さい (2017年12月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 7cee4984be (このIDを非表示/違反報告)
りんご - (涙) (2017年3月24日 14時) (レス) id: 0e268ef785 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ@エミリア(プロフ) - おさるさん» ありがとうございます!感動して頂けるものが書けたかどうか不安だったのですごく嬉しいです・・・!!これからも頑張ります!! (2017年2月15日 0時) (レス) id: 484db0ba6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らいむ@エミリア | 作成日時:2016年12月31日 23時