【文スト】貴方といられる幸せを【中原中也】

此の人なら ページ2

目覚めると、明るい場所に水が溜まっていました。
お風呂、です。
この身体が綺麗になるのは願ったり叶ったりですが、私は水がどうも好きになれません。
少し厭で身を捩りました。

「こらこら、暴れンじゃねぇぞ。」

その人は少し笑って、暖かいお湯でゆっくり私を洗ってくれました。
やっぱりお風呂は慣れませんね。

お風呂から上がると、その人は私にごはんをくれました。
どうやら、私が眠っている間にトイレやベッドを用意してくれていたようで、整理された部屋にカラフルな物が置かれていました。
久々に美味しいごはんに在り付く事ができました。
はぐはぐとごはんを食べていると、私に目線を合わせて

「うまいか？」

って微笑んでくれました。
優しい、優しい笑顔でした。
みゃ、と短く鳴くと、そうかそうかと言ってくしゃりと頭を撫でたんです。
その暖かい手と優しい笑顔は、私を虜にさせるには十分でした。
貴方が、貴方がいいです。
私は一生、この人のもとにいたいと思いました。

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