直接対決 ページ12
金曜日の放課後
約束通りわたしは屋上へ向かう。
いつもなら軽い足取りで上がる階段も
2月の凍えるような寒さと緊張で
なかなかうまく動いてくれない。
冷たく重たいドアをギギギ…と押し開けると
予想通りあの子が待っていた。
わたしの1番のお気に入りの
この場所で。
少しずつ彼女に近寄り
若干喧嘩腰で「何？」と声をかけると
怖いよAちゃん、とふんわり笑う。
話があるんなら早くしろよ
さみーんだよこっちは…
と頭の中で言いながら
話があるんでしょ？
と声をかけると
そう。
と、あの悪意を纏った目でわたしを見る。
『マイキーくんの事なんだけどね…』
とポツリポツリと話し出す。
ずっと前からマイキーの事が好きだという事
この間好きだと伝えたという事
まだ返事は貰えてないけど
卒業式の日まで待ってみようと思うと
淡々と喋った後
『Aちゃんってさぁ、マイキーくんの事どう思ってるの？』
と、何かを試すように聞いてくる。
好きなら好きって言わないと
ちゃんと相手には伝わらないよ
と、1番言われたくない言葉を連ねる。
何だコイツ。
分かってて聞いてるな、と気づいた。
可愛い顔して意外と図太い奴だ。
わたしが
「別に好きじゃないよ」
って言うのを知ってるんだろう。
随分とまぁめんどくせー女だな。
しばらく答えられずにいると
『応援してくれる？』
とにっこり笑う。
面白くない。
本当に面白くない。
確実に確信犯だ。
わたしの気持ちに気づいてて言ってるんだ
と完全に理解した。
このまま黙ってるのも分が悪い。
でも言葉に詰まる。
わたしも好きだから応援はできない
と、ひとこと言ってしまえればいい。
だけど口が裂けてもそんな言葉は言えない。
だから
「応援したところで決めるのはマイキーでしょ」
と、言い返してみる。
しばらく目を見合わせると
『そっかぁ….』
なら頑張ってみるね、ありがとう。
と言って手を振りながら屋上を後にする。
あっそ、と聞こえないように小さく呟いてから
フェンス越しに教室を覗くと
誰もいない空の箱が見えた。
少しだけここにいよう。
さっきより薄暗くなり始めた空を見上げ
ギュッとマフラーを巻き直した。
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ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです！ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (
レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミリカ | 作成日時：2021年10月22日 16時
