おやすみ、マイキー ページ11
ガラガラと保健室のドアを開けると
ほんのりと薬品の匂いがする。
「せんせー…」
と声をかけても返事はない。
ラッキー！なんて言いながら
マイキーは奥の方のベッドにドサッと寝転がる。
「今日はここで寝るわ」
と言いながら、モゾモゾと布団の中へ入る。
あぁそういう事か
屋上は雨で行けないから
寝るところを探してたんだ。
わたしは勝手に棚をガサゴソと漁り
少し大きめの湿布を手に取る。
ちょっとだけ痛かったような場所へペタリと貼ると
冷たくて、ゾワゾワっと鳥肌が立つ。
外は相変わらずの大雨が続いていて
校庭はもう湖のようになっている。
しばらく空をぼーっと眺めていても
止むどころか更に強くなっているみたいだ。
先生も何か仕事があるのだろうか
戻ってくる気配もない。
『マイキー？わたし先に教室戻るね。』
と声をかけてみるが、返事がない。
…
もう寝たのかな？
某ネコ型ロボットの飼い主か！
どんだけ早いんだよ！
なんておかしくなっちゃって
ちょっとだけ笑みが零れてしまう。
今なら….
寝てる時なら…
『おやすみ、マイキー。』
と声をかけ、保健室を後にした。
残された彼は
「ふーん。」
と呟き、彼女が去った保健室で
一眠りする事にした。
顔まで布団を引っ張り上げ
誰も見てないはずなのに
ニヤニヤが止まらない顔を隠すように
おやすみ、と一言残して。
教室へ戻ると授業は既に始まっていて
ガラガラとドアを開けて入ると
教科担任は「大丈夫か？」と、わたしに声をかける。
誰かが伝えてくれたのであろう。
大丈夫です、すみませんでした
と言ってから席につく。
隣の席の子にも大丈夫？と声をかけられ
ありがとう、大丈夫だよ、とお礼する。
教科書を取り出そうと机の中をゴソゴソやってると
見覚えのない1枚のメモ帳が出てくる。
なんだ？
誰かからのメモだろうか？
教科書と一緒に取り出してみると
【金曜日の放課後屋上で待ってるね】
と書いてある。
丸っこくかわいい癖のある文字で。
誰だ？
誰かと間違えてるんだろうか？
とよく見てみると
Aちゃんへ、と書いてある。
なるほど。
そう来るか。
あの時脳が察知した近寄られちゃいけない
というのは間違ってなかったな
と思った。
頭に入ってこない授業。
参ったな、卒業近いのに…
なんてしばらく雨の音を聞きながら考えていた。
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ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです！ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (
レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミリカ | 作成日時：2021年10月22日 16時
