【ベイブレードバースト 】狂ってしまった時計 the 2nd day【短編集】

5時…誰の耳にも届かない ページ5

ずっと自分のモノが無かった。

やっと自分のモノだと思った物も実は
貸された物だったり、お下がりだったり。

新品の自分のモノが無かった。

そんな時に現れたのがこの女。

最初は単純に興味を持っただけだった。

同じ趣味を持っていた、ただそれだけ。

それなのにいつの間にか惹かれていて。

気付いたら惚れていた。

それと同時に自分のモノにしたいとも感じた。

今まで自分のモノが無かったからかその欲求はとても大きかった。



"目の前には涙を流す者"


最初は簡単だった。

話しかけるだけだったから。


"手には赤く染まった物"


デートに誘えた時なんかもう舞い上がった。

嬉しかったから。


"頰には生温かい物"


でも次第に難しくなっていった。

彼女の心情が理解できなかったから。



だからだろうか今、目の前に悲痛の表情を浮かべるAがいるのは。

真っ暗な部屋に透明と赤が入り混じる。

A「…こんなことするんだ。」

腹部を抑えてポツリとそう言ったA。

「お、俺だってこんな事したい訳じゃ…！」

叫ぶように放った言葉も意味が無かったみたいだ。

A「大丈夫、この事は誰にも言わないから。君がやったとは言わない、でももう君の顔は見たくない。」

俺を見据えるように、呆れたように言ったその一言は鋭い刃物の様に心に刺さった。

そしてAが腹部を抑えている反対の手で
ドアノブを持った。

「待ってくれ…！」

A「じゃあね…バイバイ。」

突然目の中に光が差し込んできた。

Aが部屋を出て行ったと理解するのに時間はかからなかった。

ふと鉄の匂いがしたので部屋を見回すと赤い水溜りが一つ出来ていた。

それを見て自分の愚かさに気付いた。

「は、はっ…は。」

乾いた笑いをしてももう誰の耳にも届かない部屋。

孤独感、という文字が体の上に乗ってきたみたいに体が重くなった。

「あと少しで自分のモノに…自分の者にできたのにッ…！！」


明るいのに目が慣れた筈なのに視界が歪んでいた。

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どうも盛大に更新遅れてすいません。

忘れてた訳ではないです！

あ、それとこの話アレですね。

人によって解釈変わるアレです←

リクありがとうございました。

6時…息が吸えなかった→←4時…代用品じゃなくて

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