恵くん！お父さんをください！

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。恵


「親父ｯ！！」



久々にこんなにも弱ってる親父を見た。
俺は今、毒神によって毒を取り込まないように助けて貰ってるが、その本人が今毒で侵されている。

親父は身動きが取れない。


どうする。考えろ。



「あら、本当に甚爾さんの子供だったのね」


女が近寄り、俺の顔を持ち上げる。
冷たい視線を向け俺に「憎たらしいほどよく似てる。でも、許せない」そう言って、俺に1発平手打ちを入れた。



「てめぇ...！」


しかし、俺は殴ることをやめた。
それは、横で苦しそうにもがいてる毒神が止めたからだ。ひ弱な力で俺を止めた。



『あんた、騙されてんだよ。クソ研究所に』


「おい、あんま喋るな」


『大丈夫だよ。恵くん。舐めてもらったら困っちゃうよ。甚爾さんの前だしかっこ悪いとこ見せられない』




ふらっと立ち上がり、女に詰寄る。
先ほどとは打って変わって、口調が強くなる。



『この毒、私、用に開発されたやつだろ？でも残念だったな。私の体の中の分析が今終わって、中和の毒でかき消してんだよ。甚爾さんを傷つけた女は許さねぇよ。くそビッチ』


「巫山戯んな。巫山戯んな！！！甚爾さんは、私のものなのよ！！！」



刃物を振り回す女。だけど毒神はゆっくりとまた1歩、また1歩と歩み寄る。



『刺してみなよ。私は、死ぬのは怖くない。ほら？刺せるもんなら刺してみろって言ってんだよっ！』



刃物を持った手を思いっきり蹴飛ばした。
そしてそれを拾い上げ、女へと歩み寄る。



振りかざした。




「やめろ！！！」


『なーんてね。流石に殺さないよ〜！だって私は呪術師なんだもん！』


と言って女を縛り上げた。

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