そばにいさせて～changmin～ (ページ7)

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やばかった…～changmin～ページ7

『チャンミン、シャワー先にいい？』

『うん。もちろん。』

ユノにそう答えて着替えると、チャンミンは慣れた手つきで冷蔵庫からビールを取り出した。

『ふぅー。』

あの後2本のインタビューをこなし、今はもう今日が終わる時間だ。

馴染んだこのソファーに座ると、さっきまでの疲れが少し取れる気がする。

『…Aさん…』

今日呼べなかった名前をボソッと呟く。

それだけでちょっと照れてしまうなんて重症だ。

打ち合わせで初めて会った時、綺麗な人だなと素直に思った。

みんなの冗談に笑う姿はかわいらしかったし、仕事に取り組む時の凛とした表情はかっこよかった。

そして何より、声が好きだと思った。

楽しくなるような、嬉しくなるような、落ち着くような、癒されるような…

電話で話したらどんな声なんだろう、なんて妄想までしてしまった。

自分の名前が呼ばれるたびに、会議とは分かっていてもドキッとしたり、ニヤッとしそうになるのを堪えるのは大変だった。

もっと仲良くなりたい。もっと彼女を知りたい。

こんな感情を初対面の女性に抱くなんて、今までには無かったことだ。

でもきっと、それは自分だけではない。

ユノがヌナと呼んだ時、いくら社交的とはいえ、あんなに早く距離を縮めるのは珍しいと驚いた。

仕事相手としての信頼感からそう呼んだのだろう。

でもAさんが恥ずかしがっているのを見たら、ユノにはそんな表情をするのかと少し胸が痛んだ。

ユノをかっこいいと言ったのを聞いてつい、自分はどうだったか聞くなんて、自分を見てほしいとお願いするなんて、いつもの自分からは想像できない行動だ。

ユノに嫉妬するなんて、まるで子供だ。

思い出すと恥ずかしすぎて、あ〝ーと唸りながら頭をくしゃくしゃにする。

“チャンミンさんだけ見てようかな？”

ぼくを見上げるあの笑顔はやばかった…

本当に自分だけ見ててくれればいいのに…

そう思うと自然にニヤけてしまう。

『あ〝ーやべーですー！』

『はひがやはいのー？』

バッと振り向くと、ユノがバスタオルでガシガシと頭を拭きながら歯磨きをしている。

『なんでもありません！ヒョン！頭をふくか歯をみがくかどっちかにしてください！』

『へー？らってはやいかなーって！』

『そうですか。では、床にしたたり落ちている水はちゃんとふいてくださいね。ぼくはシャワーしてきます。』

ユノを置いてバスルームに向かいながら考えるのは、やっぱりAのことばかりだった。