そばにいさせて～changmin～ (ページ49)

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くすぶり続けるページ49

『佐藤、ちょっといいか。』

篠崎にチーフルームへ呼ばれたのは、クリスマス限定商品の評判の高さに、チームで喜んでいた矢先のことだった。

『今回のプロモーションもうまくいってるみたいだな。』

『はい。おかげさまで、かなりの反響をいただいています。』

やはり東方神起の人気は絶大で、限定デザインのかわいさも相まって、売れ行きはかなりのものだった。

『佐藤も西野も、本当に良くやってくれてるな。』

『あの、チーフ。何かありましたか？』

話の内容は明るいのに、篠崎の顔は曇っている。

『…実は…今回の限定商品が注目されたことで、相手探しがまた始まっているようなんだ。』

『相手探し…あの、NIGHTの広告の…ですか？』

『そうだ。』

篠崎の話によると、落ち着いたと思っていた時も、一部では熱狂的なファンが、Aを探し続けていたという。

必要以上に怖がらせないよう、Aには内緒で、情報をずっと追ってくれていたようだ。

それが今回、限定商品の発売でまた騒ぎが再燃している。

Aはすっかりそんな騒ぎのことは忘れていたが、ふと三橋の言葉を思い出した。

《ただこういうことは…脅かすわけではないですが、一部でくすぶり続けたりするんです》

『社としてはもちろん守るつもりだが、佐藤も一応気を付けてほしい。』

『わかりました。ご心配お掛けして、申し訳ありません。』

チーフルームから戻り席に着くAの様子を、前の席から西野が伺う。

『A、何かあったのか？』

Aは少し、顔色が悪い。

『あ、うん…でもだいじょ…』

『大丈夫じゃないだろ？そんなに遠慮する仲か？』

ほら、コーヒー飲み行くぞと席を立つ西野の存在に、Aの気持ちは少し軽くなった。

『やっぱり完全には消えてなかったんだな…』

話し終えると、西野はそう呟く。

不安そうなAに、

『でも顔が写ってるわけじゃないし、服だって衣装だ。』

スタッフたちも信頼できるしな！と言うと、西野はAを安心させるように笑う。

現に、あの撮影のスタッフたちは、誰1人としてAのことを明かしていない。

本当の理由は知らなくても、しっかりと秘密を守ってくれる仲間たちは心強かった。

『それに、彼氏には言ってあるんだろ？』

心配な時は頼れよと言う西野に、Aは曖昧な笑みを返した。