拉致 ページ16
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彼らの向かった方向からグレイターミナルへ抜け、かれこれ数十分駆け回っている。
「よお、嬢ちゃん」
見知らぬチンピラに突然声を掛けられたかと思ったその瞬間、頑丈な手錠をはめられてしまった。
『ちょっと…！なにこれ？！』
悪魔の実の能力が使えないため、きっと海楼石なのだろう。
身動き出来ないうちに、袋の中に詰められた状態でどこかへ拉致されてしまった。
＿＿＿＿＿
『はあ…完全に油断した…』
気づけば知らない室内に設置された檻の中。窓はなく、部屋の中は薄暗い。
薄がりの中、不気味にこちらを見つめる男二人が口を開いた。
｢こいつはいつもエースとサボの横にいるAだよな？
よく捕まえられたなァ｣
｢おう。
念の為に例の手錠を持っておいて良かったぜ！｣
『ここはどこ...？』
「へっへっへ。聞きてェか？
ここはな、ブルージャムさんの船ん中だ！」
ブルージャムとは、たしかポルシェーミの船長だったはず。
『私があなた達に拉致される理由はないはずですが？』
「この前はよくも俺たちの仲間をのしてくれたな！！
ずっと仕返ししようと企んでたのさ」
『ああ！
置いていかれた哀れな男性と彼を見捨てた薄情者。
あの二人組のことですね？』
このドーン島に来たばかりの頃、体力をつけるためにグレイターミナルまで走り抜けたことがある。その時のことだろう。
「お前…
自分の置かれてる状況、わかってねェだろ？
いまなら許してやっから謝れよ」
『断る！殺したければ殺せばいい！』
｢ヒッヒッヒッ...そうかい！
焦らずとも、ちゃんとお望み通りにしてやるよ｣
そう言うと、二人はヘラヘラと笑いながら天井部分を押し上げた。
そこからは日光が燦々と降ってくるため、ここは甲板部の下に設けられた倉庫のような所だろう。
蓋が閉まり足音が遠ざかったのを確認し、檻の金具に手錠を思いっきりぶつけてみるが、上手くいかない。
一か八か。
ゆっくりと目を瞑り、邪念を払う。
『ふぅ......』
拳に覇気を流す、そして集める...
『はあっ！！』
流桜を発動すると、
思いのほか手錠は脆い作りで大きな音を立てて破損された。
『良かった…！これで行ける』
手錠の破片が刺さった部分からタラタラと血が滴っている。
止血のためにその傷口を舐めると…しょっぱい！？
『なるほど！
海楼石の手錠ではなくて、塩が付いた ただの手錠だったのか！』
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まゆこんぶ(プロフ) - 竜胆さん» こんにちは！ありがとうございます！！続編作れたのも皆様のおかげです！！何シリーズまで続くかは分かりませんが満足のいくように終わらせます！ (2020年10月29日 21時) (
レス) id: 984aeb020d (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - 続編おめでとうございます！楽しみにしてました！w (2020年10月28日 19時) (レス) id: bc5f14382a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆこんぶ・さえこんぶ | 作成日時：2020年10月28日 13時
