好きにさせろとうとうハッピーセット (ページ3)

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体育祭を翌日に控えた今日
短縮授業でキャピキャピと帰って行ったその他大勢を見送って、しっかり雑用を押し付けられた学級委員の私とロンジュナ

のはずだったんだけど

いつものようなか細い高めのトーンの文句が全く聞こえないのが非常に居心地悪い。

「うげ、いつもこんなことやらされてたんだね」

『…あの、私1人でやるからジェノくんは』

「ダメだよ、ロンジュナの代わりだから。俺が帰ったらロンジュナがサボったことになるでしょ」

現にサボってるじゃないか
しかも、1番迷惑な置き土産までして

『…早く終わらせよう』

「んー、まあゆっくりやろうよ」

ゆっくりなんてしてられないよ

ほんとにちょっと前までだったら浮かれられてたと思うけど。今はなんかもう、苦しくて逃げたくてたまんない。

「Aはさ、ハチマキ交換した？」

仕事手伝ってくれてるんだか暇つぶしなのかいまいちよくわかんないイジェノ

そんなことほざいてしまうくらいだったら、ほんとにもうすぐにでも帰って欲しいな。

『してないし、しないよ』

「しないの？誰とも？」

『うん。しないよ、イドンヒョクとも』

『だから安心してね』

イドンヒョクに向いている矢印に気付いた時
何ともあっけなく、私の中で完全に相関図が完成してしまった。

だって、やっぱりどう考えてもおかしかった。
自分でも気持ちが悪くなるほど見てきたイジェノのこと、見誤るなんてことあり得ないないはず

だけど、何故か私がイジェノに詮索されている気がしたの
ちょっとだけ勘違いしてみたくもなったけど。

この違和感を説明できるたったひとつの解が存在してたんだ

イジェノが望んでることなんて
ソアちゃんとイドンヒョクの矢印が向かい合うことだけ
たったそれだけだった。

イドンヒョクの代わりにジャージを貸してくれたのも

シフトがソアちゃんとじゃなくて私とだったのも

イドンヒョクとはただの友達だって言葉に、「よかった」って笑ったのも

何でもないように、私にとっては何でもなさすぎることたくさん言ってきたのも

私のことなんて、何とも思ってなかったからだ。

でも意外と、そう気付いてしまってからの方が楽だった。

『ジェノくんはさ』

今一体、何考えてるんだろう。
バレちゃったって思ってるのかな

幻滅されるんじゃないかって、少しでも心配してくれてるなら気にしないで欲しいな。