姉 ページ20
jn side
自分が今どこにいて何をするべきなのか分からないくらい忙しいっていうのに
もっと自分を追い込んで、てんやわんや忙しく生きているロマンチストなラッパーもとい、マクヒョンに率いられて
無事にカムバック活動のスタートダッシュを切れた俺たち。
当初から色々ありすぎたけど、まぁきっとなんとかなってるはず
ただでさえここ数日間は心ここに在らずだったこのヒョン、今日この放送局に足を踏み入れる瞬間に完全に心も身体も宙にぷかぷか浮き出した。
ただの恋煩いだし、所詮他人事だし
普段の俺だったら確実に放っておく案件だけど
そこらへんもそつなくこなしちゃうヒョンの
こんなにカッコ悪いというか人間らしいというか、そんな姿が新鮮すぎてソワソワする。
年末に向かって、特に今は大事な時期だし
さっさと玉砕するか成就するかしてほしいって思ってるのは俺だけじゃないだろうって思ってみたものの
「ねぇ、どうするあのヒョン」
「んー。別にどうもしなくてもカメラの前ではプロだから、平気じゃない?」
30分寝かせてって、髪型が崩れないように図々しくも俺の肩を利用し出したジェミンも
「ほっときゃ落ち着くんだから、お前もちょっと寝ろ」
人に休めとか言う割に、バッキバキの目でスマホいじって誰かと連絡してるらしいドンヒョクも
「珍しいですね。鉄のハートのジェノヒョンがそんな心配するの」
「お前は早く寝ろパクチソン」
6人しかいない電気の消された楽屋で、かけた1人を気にかけすらしない。
まあでもそりゃそうだよね。
事前収録がひと段落して、生放送の時間までの貴重な休息タイムを
大事なヒョンの色恋沙汰に使うような出来た人間はいなかったみたい。
「でもそろそろどうにかしないと通報されるかもよ?トイレ行くってのが本当なら、心配レベルの頻尿だよイマーク」
あ、違った違った。
そう言えば1人、やかましいくらいおせっかいな人好きモンスターがいたんだった
そんなモンスターは
ジェミナが使用中の肩とは逆の方に、思いっきり全体重かけて寄りかかってきた。
「本当なわけないじゃん、あわよくば狙って徘徊してるだけだよ」
「うげぇキモすぎ…誰かに通報されちゃう前に俺たちでしちゃおうよ。まじで見てらんないわ」

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作者名:シャム | 作成日時:2024年11月19日 3時