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何の日? ページ9

『ねぇA〜』

「んー?」

『来月のー』

「うん」

『24日はー、何の日?』


夕食後、食器を片付けている私に、
カンタくんがふいに話しかける。

12月24日。

世の中では、特別な日だ。
もちろん知ってる。




「イエス・キリストの誕生日前日」

『ねえ!そうだけど!そうじゃなくて!』



だって彼は、YouTuber。
世間の特別な日は、企画だって捗るわけで。
カンタくんと付き合う前から知ってる。
その日は忙しい日だって事。

だから、わざわざその日の話を
至極楽しそうに振ってきたカンタくんに
疑問と、淡い期待。


『クリスマス!なんか予定ある?』


私の答えを待ちきれなかったのか、
その日を待ちわびている子供のような表情で
話しを続けるカンタくん。


「なーんにも」


『じゃあさ!!』

カンタくんの声が一段と明るくなった。


だめだめ、まだ期待しちゃ。


『どっかいこ!』

「いーよ?」

夜だけとか、昼間だけとか、そんな感じだ。
きっと。きっとそうだ。
過度な期待はしちゃいけない。
仕事なんだから…



『えー?リアクション薄くない?
せっかくだしさ、遠くまでいこ!
朝から出発して〜、あ、夜景の綺麗な所とか?
もし23日も空いてるんならその日の夜から
泊まりでもいいし!』

「え?」

『え?』


思わず声が出てしまった。
朝から?夜景??


『あ、23日は予定あった?』

「や、そうじゃなくて、
…クリスマス動画は?企画は、?」

『あ〜…、Aは
そんな事心配しなくていいのに〜』

「だって…」


彼女である前に、水溜りボンドのファンだから。
私のせいで動画に影響がでるのだけは嫌。絶対に。


『いーから!!詳しい事は企業秘密だけど、
うまく予定組めたの!!だから、』


言いながら、私の隣に立つカンタくん。
その表情は、最高の笑顔。





『クリスマスはずっと、俺と一緒にいよ!』





カンタくんの優しさと笑顔に、
嬉しさが溢れそうなほど込み上げる。
なんだか泣きそう、なんてことは秘密にして
カンタくんに負けない最高の笑顔で頷いた。

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(プロフ) - 秋ノ宮紅音さん» ご指摘いただき、ありがとうございます!!すぐに対応いたします! (2017年11月27日 16時) (レス) id: b757b26083 (このIDを非表示/違反報告)
秋ノ宮紅音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年11月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - うわわ、すごく素敵なお話ですね!更新待ってます!! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - すごくおもしろいですね!次のお話もたのしみにしてます! (2017年9月17日 20時) (レス) id: 59969ce0cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年9月1日 9時

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