ALL 終末医療 9-1 ページ21
「おはよう。音聴かせてね」
まるでモデルルームかの様なこの部屋はこの小さなクリニックの病室の1つ
終末医療の患者さんのため。
もう治療の術がなく、余命宣告をされた人などが残された人生を有意義に過ごす為の部屋
医者は最低限の薬の投与のみ。
あとは患者さんの生活を支えるのが仕事だけれど
今この部屋にいる彼、潤は
担当医である翔の高校時代の同級生だった
医者になる事が夢だった2人は
よくお互いの家で勉強をしたり、夢を語り合ったり。
翔にとって「親友」と呼べる数少ない人だった
そんな2人は無事医者になる夢を叶え、
翔はこの田舎町の小さなクリニックの医師に、
潤は大学病院の医師として勤務を始めた
お互い働き始めてからは忙しくなり、直接会うこともなくなってしまったがそんな潤がこのクリニックに転院してきたのが3ヶ月前
翔がいる事を知らなかった潤と
潤が来ることを知らなかった翔は
目を丸くして驚いた
久々に会う親友は
車椅子無しでは生活できず、体は痩せ細っていた
偶然とはいえまたここで再会できた事
…自分が彼の最期を看取るべきではないか。
元々、潤の担当医は違う医師の予定だったが話をし、頭を下げ、担当医を代わってもらった
「身体、痛い…」
「…薬入れようか。ご飯食べてからね」
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ハチ - はなぶさ様のお話大好きです。次の更新を楽しみに毎日作品を読み返しております! (2020年9月9日 11時) (レス) id: 9c64d16ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなぶさ | 作成日時:2020年1月24日 0時