blotch 1 ページ9
かすかな気配を感じて松本は目を開けた。
『班長。』
『今行く。』
松本は仮眠室の中、薄明かりに目を凝らす。
交代まで後３時間。ぎりぎり事件を拾えたな。
松本はなれた動作で身支度を整える。音を立てない身のこなしはさすがだ。
右腕の仲村がドアのそばに張り付いていた。
大股に歩く松本に遅れを取らぬよう、横に並ぶ。
『コロシです。』
事件現場となったのは年季の入ったアパートだった。
二階建ての小さな建物。
外階段は塗装が剥げていると言えばいいのか、申し訳程度に残っていると言えばいいのか。
『ここだけ昭和ですね。』
仲村の感想が言い得て妙だ。
大家の話によると、もともと取り壊し予定のアパートに、修理なしで構わないから引き続き住まわせてくれと頼みこんできた数人が住んでいるらしい。
『多少壊れても、住める間は住まわせてくれってね。なんかワケアリか、金がないか。
それでも、みんなきちんと家賃を振りこんでくれるから助かるよ。』
そう言ってひゃっひゃっと笑う。
住めなくなったら取り壊して年金暮らしするという老人は、人が亡くなったというの泰然としており、驚きもしない。
『こんなとこに住むのはワケアリばかりなりってね。ねえ、兄ちゃん。』
『は、はあ。』
松本まで兄ちゃん呼ばわりされる。
凄腕の一課の班長も年寄りには敵わない。
それでも店子の管理はしていたらしく、名簿を差し出してきた。
達筆なのか悪筆なのか判断しかねるそれを部下に回し、現場へ足を向ける。
階段から上がってすぐの部屋の前に被害者がいた。
階段側に方足を投げ出し、仰向けに倒れている。
頭を中心に血だまりが出来、その顔は乱れた髪と血。そして何かの粉末で良く見えない。
『鑑識さん。これは？』
松本が指すと鑑識が顔を上げた。
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ちえさん(プロフ) - あむむさん。ありがとうございます！にのちゃんの姫ポジは永遠です。下の刑事さん、元ラグビー部にしようかな。介抱シーンは書いてて楽しかったですよ？少しだけ距離感近いにのあいが。続編は、まだまだ先です。その間にあむむさんのお話読めると嬉しいなーなんて。 (2019年7月1日 21時) (
レス) id: 2bc40c13cf (このIDを非表示/違反報告)
あむむ(プロフ) - ちえさん更新ありがとう御座います。色々思うことがあって読み返してたら、屈曲な刑事に抱きかかえられた二宮の妄想にとらわれて吹っ飛びました。また続きが読めそうな終わり方でニヤついてます。警察の闇、不思議な力。楽しみです（笑） (2019年7月1日 20時) (レス) id: 1e8b06ec36 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ちずるさん。読みごたえがあると感じて貰えて嬉しいです。続編・・・。まだ何も形になっておりません(汗)。あまり期待せずおまちくださいね。コメントありがとうございました♪ (2019年7月1日 18時) (レス) id: 2bc40c13cf (このIDを非表示/違反報告)
ちずる(プロフ) - ちえさん、こんにちは。更新が嬉しくてうれしくて♪でも、とうとう終わってしまいました。今回も読みごたえありました！もしかして・・・続編あるのかもとﾜｸﾜｸしています (2019年7月1日 17時) (レス) id: a41ed1f829 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ちずるさん» ちずるさん。コメントありがとうございます。楽しんで貰えていると嬉しいです。もう少し続きますので、宜しくお願いします(*´∇｀*) (2019年6月23日 9時) (レス) id: 2bc40c13cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2019年4月30日 10時
