winter story33 ページ9
nino：
ほわっと目が覚めて。
目を開けてみたらさっきとは違う部屋。
「二宮さん、お目覚めですか？」
看護師さんが側に来た。
さっきの人とは違うユニフォーム。
「ご気分はいかがですか？」
気分？
俺は眉をしかめて首を振った。
彼女はさもありなんと少し笑って頷いた。
だってさ。
こうやって目が覚めてるのが不思議なくらいだよ。
体なんて全然力がはいんなくて、目を動かすのがやっと。
酸素マスクも点滴も、多分おしっこの管もしっかりくっついてるし。
これで気分がいい訳ない。
でも、今は何より喉がカラカラで。
口も喉もヒリついるのを何とかしてほしい。
”ねえ”
点滴を調整したり、あちこち確認していた看護師さんに話したくて。
手を伸ばして彼女の腕に触れた。
・・・つもりだったんだけど、実際には指先がぴくぴく、口が少し開いただけだった。
でも、そのわずかな動作にも気が付いてくれて、すぐに側へ来てくれた。
俺が口を開くと、人差し指を唇にあてて、しーとささやいた。
「声は出してはいけませんよ。唇を動かしてくださったらそれで。」
ああ。
そういや、さっきのベラベラくんが何か喋ってたよな。
”水、飲みたい”
「申し訳ありません。まだドクターから飲水の許可が出ていないんです。」
うそ・・・
「二宮さん、今日はほぼ１日眠られてたんですよ。
頭痛はありませんか？」
”あたまは痛くない。お水がほしい”
何とかお水をもらおうとヒタっと彼女を見つめた。
よほど絶望感が顔に現れていたんだろうね。
「そんな顔されなくても大丈夫ですよ。」
看護師さんは少し笑って、手際よく準備した濡らした綿で唇を濡らしてくれた。
「軽く口をあけてください。はい、それぐらいです。」
今度は大きな綿棒みたいなので口の中をぬぐってくれる。
飲み込むような量はなくて、もどかしくて仕方がない。
でも、そのほんの僅かな水分でも、口内が潤って楽になる。
「少しは楽になりましたか？今はこれしかできません。
眠れるようでしたら、休まれたほうが楽ですよ。」
休めって言われたってさっきまで眠ってたんだしさ。
いや、体はしんどいよ。マジ。
でも、喉がさ。
ちょっと楽だけど喉がカラカラなのは変わってないし。
水を飲みたい。ごくごく飲みたい！
そんな欲望が暴れてイライラするのに。
そう簡単に眠れるわけない
・
・
・
・
・
あ・・・・
なんだよ。寝てんじゃん、俺(笑)
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ねこにゃん(プロフ) - ちえさんさん» ふふふ、夢と希望を詰め込んでます（笑）。なかなか贅沢とは縁がないですね〜。 (2020年9月25日 19時) (
レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 一度でいいから、ここまで突き抜けた贅沢をしてみたい。落ち着かないだろうけど(笑) (2020年9月25日 18時) (レス) id: b2bd56270d (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - 千智さん» ほんとにいつ原因がわかるのでしょう（滝汗）さみしがりやのカズちゃんだけど、しばらくは一人ぼっちかなあ・・・。コメントありがとうございました。 (2020年8月11日 16時) (レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
千智(プロフ) - やっぱり大野さんがストレスになってるんでしょうか？！でもカズちゃん、大野さんに会いたがってるような気もするようなしないような…。早く原因がわかって元気になりますように。、 (2020年8月11日 14時) (レス) id: 5441d66b3a (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» orangeさん、コメントありがとうございます。カズちゃんも頑張ってるんですけど、なかなか先が見えてきません(;^_^A 終わりもすこーし見えてきていますが、どうなる事やら・・・。無事に着地させられよう頑張ります！ (2020年7月9日 19時) (レス) id: 3517159278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこにゃん | 作成日時：2020年3月14日 18時
