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みいが、あの時握った手は俺だったと解れば……
小太郎の手を取ることはなくなるだろう。
俺は……
俺に真っ直ぐになるあいつに
何もしてこなかった、
何も出来なかった、
これからも何かをしてやれるのか…
自分の気持ちはもうハッキリとわかっていた。
いや、これは幼いあの日からずっと、わかってる。
でも気持ちだけじゃどうにもならない。
俺は、俺の気持ちだけを優先してスケートをしてきたワガママな人生だから。
俺の気持ちだけを押し通すのは、大好きなスケートだけにしか出来ない。
しちゃいけない。
ずっとずっと大好きだった。
昔から。今も。
でも羽生結弦として生きる事を選んだんだから、
この人生に誇りを持っている。
後悔なんてない。
間違いなんてない。
幼いあの日のまんまの俺は、
羽生結弦として生きる事を選んだ俺と共存はできない。
みいを巻き込んではいけない。
｢ごめん、羽生くんを責める気はないんだけど。手を握った時に…安心した、ありがとうって言ってたから。｣
小太郎の瞳は真っ直ぐで
｢俺、ちゃんと羽生くんには話さないとって思った。みいは俺が幸せにする。｣
小太郎の気持ちが痛かった。
それを俺に伝えてくれる誠実な瞳も。
みいがあの時握った手が、小太郎ではなかった事への感情も、全部全部痛かった。
みいの気持ちに答えられないくせに、小太郎とみいを歓迎してない俺の心の奥底までも、見透かされている気がした。
“俺が幸せにする”
そう真っ直ぐ言える小太郎を見ると
心臓をえぐられたみたいに痛いよ。
俺には言えない言葉だから。
わかった、と今小太郎に言えば本当に俺はもう二人を見届けるしかない……。
途中で“待った”は効かないんだ。
でも俺…幸せになんて出来ない。
俺はどうなりたいか、なんて考えられない。
『うん。小太郎の気持ちは聴いた。わかった。』
でも……
｢羽生くんの気持ちは？｣
答えはわからない。先なんてわからない。
ズルいかもしれない。何も求めてない。
でも、素直な気持ちをぶつけてきたんだから、
俺も素直な気持ちだけは、伝えよう。
『俺も…みいが好きだよ。ずっと前から』
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王様じゃんぷ(プロフ) - だんごさん» ありがとうございます(ToT)自己満足100％で楽しく書いたので、楽しいって言って貰えて嬉しいです。感謝:) (2021年10月21日 10時) (
レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。これからの展開どうなるのんかぁー?更新待ってます! (2021年10月20日 14時) (レス) @page41 id: 69db7dc37a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：王様じゃんぷ | 作成日時：2021年5月7日 22時
