空白の三日間 ページ40
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朝、目覚めてTVをつける。
番宣の為に朝の番組に出ている女優さんが、先月の流星群の話をしている。
パックジュースを飲みながら、目を擦り、TVを消したくてボタンを押そうとすると
羽生くんをよく取材しているアナウンサーがスポーツニュースを伝えはじめる。
更にTVを消したくなって、ボタンを押す。
洗濯機の音しかしない静かな部屋になった。
化粧をして朝の支度をはじめる。
いつもお昼過ぎに起きてたけど、朝からの仕事をはじめて半月。電車に揺られ二駅、駅から近い喫茶店。
親の知り合いが経営している小さな洋館みたいな喫茶店。
洗濯を干して、パックジュースをゴミ箱に投げてナイスシュート出来てガッツポーズ!
急いで家を出る
駅まで小走りしなきゃ間に合わないかも!
毎朝こんな感じでドタバタしている。忙しいけど、その方がいい。
改札口の隣にあるドラッグストアに飾られてある羽生くんが目に入る。
TVをつけても、街を歩いても、全くもうっ!!
毎朝電車に揺られ、街の中に溶けこむ。
平行して就活も始めたので、ゆくゆくは深夜も辞めてどっかで就職しようと思ってる。
昔から人より大きな夢もなく、やりたいこともなく、とにかく普通としか言い様がない私の人生。
普通のまま、私の人生は続いてゆくのだ。
「おはようございまーす」
ただひとつ好きな人は特別だったけど、
今ではそれも無くなったのだから。
モーニングからランチまで、なかなかバタバタするもんで、あっという間に14時半くらいになるから、珈琲を飲んで休憩する。
カランコロン
いらっしゃいませ〜
お客さんだ。休憩らしい休憩がとれずに裏側から顔を覗かせると
「おっす!」
「おぉっ!小太郎。いらっしゃいませ!」
「近くきたから。アイス珈琲1つ」
「仕事?」
「おん。営業まわり。ほら、うち氷の整備以外にも手広くやってんじゃん」
「忙しそうだね」
「お前もな。顔色悪いぞ」
「無理しないと。今は時間に余裕があると駄目なんだもん」
「ぶっ倒れるよ?」
「大丈夫っ」
なんだかんだ優しい幼なじみにホッコリする。ありがとう。倒れる訳ないけどな!
夜は自宅で一息ついて、眠い体を奮い起たせて
車に乗り込む。
昨日の飲みかけのジュース。お菓子のゴミ。いつかのレシート。掃除しなきゃな……
車の中を綺麗にする意味はもうないから散らかり放題
の車内にうんざりする
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王様じゃんぷ(プロフ) - だんごさん» ありがとうございます(ToT)自己満足100%で楽しく書いたので、楽しいって言って貰えて嬉しいです。感謝:) (2021年10月21日 10時) (レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。これからの展開どうなるのんかぁー?更新待ってます! (2021年10月20日 14時) (レス) @page41 id: 69db7dc37a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2021年5月7日 22時