曖昧 ページ44
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告白に衝撃を受けながらなんとか教室を抜け出した。
車に荷物を積んで運転席に回った時、後ろから新井先生が来て今晩の予定を聞かれる。
｢良かったら呑みに行かん？｣
家にいても封筒が届くだけで今日は一人でいたくなかった。
一回家に帰ることを条件にOKして車に乗り込む。
最後の帰り道に車でかかったのは大阪レイニーブルースで、口ずさみながらアクセルを踏み込んだ。
私のテリトリーが私の物じゃ無くなっていくのを感じた。
鍵をまわして取っ手を引けば、そこにはもう何も無い。
とうふはやっと帰ってきた私に安心したのか、喉をゴロゴロと鳴らして撫でてくれと寝転ぶ。
思う存分撫で回すとそろそろ約束の時間で、もう一度鍵をかけ直して部屋を出た。
駅前のバーに向かう。
中に入ると既に新井先生が腰掛けていて、その横に座った。
そのまま談笑しながらお酒を嗜む。
しばらくすると、少しずつ酔いが回って来るのがわかった。
｢俺のおすすめのお酒あんねんけど、｣
｢え、ほんまですか？お任せします｣
｢マスター、キスインザダークを二つ｣
キス・イン・ザ・ダーク。
レディーキラーと呼ばれる、飲みやすいのに強いお酒の一つだ。
普通の女なら知らずに泥酔するが、生憎私はお酒が好きで詳しいし、何よりアルコールに強い。
信頼していた同僚の垣間見えた下心に心の中で溜息を着くと一口口に含んだ。
｢おいし、｣
｢せやろ？好きなだけ頼み？｣
そういうと目の前のカクテルを一気に煽った新井先生はうっとりと頬ずえをつく。
私はハイペースにお酒を煽る新井先生を横目に1杯分のカクテルをゆっくり味わうとそっと店を出た。
マスターと目が合ったけどウインクしてくれたので、店はたしかにいい店なのだ。
なんだか残念な気分になりながらタクシーを止めて乗り込んだ。
向かうのは懐かしい、青春の香りがする店。
あーと通った高校の近くの、昼に喫茶店で夜にバーになるあの店。
カランカランとドアを開けると、落ち着いた暖かい雰囲気が私を包み込む。
｢いらっしゃい！久しぶりやなあ！｣
｢久しぶりマスター！なんか美味しいお酒！｣
｢はいはい！｣
｢強いのね！｣
｢任せとき！｣
そのままカウンターに腰掛けて見回すと、壁にかけられているのは私とあーとマスターと奥さんの写った写真。
その横にはあーのサインがあって、私の場違いさに笑いながらマスターが出してくれた、アイスティーの香りのするお酒のグラスを傾けた。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんありがと！！！！！！！ (2019年3月30日 13時) (
レス) id: 7786978901 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - やっぱりやっぱり大好き（ ; ; ）（ ; ; ） (2019年3月28日 23時) (レス) id: fd599d71d8 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - オクラさん» オクラさん！コメントありがとうございます！(○´ｰ`○)頑張ります！ (2018年8月19日 11時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
オクラ - とても面白いです(＞＜)更新頑張ってください！！！ (2018年8月19日 11時) (レス) id: 7ba911c0c9 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ∞くらら∞さん» ∞くらら∞さん！コメントありがとうございます！頑張ります！！！ (2018年8月2日 1時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じょび | 作成日時：2018年7月9日 15時
